『GENOCIDE PLAN 虐殺計画』

4月25日(火)から5月7日(日)、明治通りにある原宿パップファクトリーでDES4は行われた。星太郎が名づけた『ジェノサイド・プラン』とは大量 殺人計画という意味だ。阪神大震災、地下鉄サリン事件は、オレたちにあまりに深い何かを残した。傷あととか恐怖とかでは片づけられない、“考えなくちゃならない何か”だった。これだけの大きな事件に対して、アーティスト側からの反応はほとんどなかった。みんな考え深そうな顔をして自らのスタイルの中に逃げ込んでいった。DESは流動的な生命体のようにすばやく反応した。
参加したアーティストは相原ヤス、早川星太郎、三田村光土里、菅間圭子、川野弘毅、石黒一華のレギュラーの他に、被災地神戸から中西小百合、初参加の山本忠興だ。
オレは三鷹にある鉄道模型屋で精密な駅のセットや丸の内線の車両を買った。くりぬ いたテレビにストロボライトと駅を設置し、楕円形の線路を貫通させる。天井をはずした車両の中には死んだゴキブリたちが入っている。スプレーをまかれて殺された本物のゴキブリだ。駅のホームにもゴキブリは死んでいて、ガスマスクをつけた救助隊員のフィギャーを設置した。


オレはサリン事件が起こる一年前に書いた『子宮外妊娠』にこんな詩がある。

その蛇は
色もなく
形もなく
臭いもなく
音もなく
味もなく
触覚もない
人の
目や
鼻や
耳や
口や
尿道や
肛門や
膣などから出入りし
毒を注入する
もちろん蛇は
何の前ぶれもなくやってくる・・・

フーチュラ2000と12年ぶりに再会した。80年代初頭のグラフィティーアートの第一人者と呼ばれた彼は、スプレー缶 で完璧な円を描けるほどのずば抜けたテクニックを持っている。今回の来日は新宿リキッドルームで行われるパフォーマンスのためだが、DESのライヴと重なって行けなかった。人気ゲームソフト『パッパラッパー』を作ったロドニー・グリーンブラッドといい昔の仲間がまだがんばっているのはうれしい。
6日(日)の7時から行われたライヴは、森下泰輔、菅間圭子、早川星太郎の即興演奏からはじまった。ギター、ピアノ、オルガンが微妙に絡み合ったり火花を散らしたりして、高まっていく。
一転して野村深山の三味線語りだ。叩きつけるようなバチさばき、疾走するメロディー、津軽三味線のビートが時代を超えて心にしみこんでくる。深山さんは軽妙な話術とビートルズまでこなすテクニックで会場を楽しませてくれた。
グランギニョール出身の吉川基子は昭和初期の歌謡ショーを見せてくれた。笠置シズ子の『ジャングルブギ』、佐藤ちや子の『東京行進曲』、作者不詳の『アラビアの歌』など、今聞いても新鮮だ。
おなじみバーバラの短歌リーディング。バックをつとめるのはエーベックトラックスからデビューする三井一弘のディジリドゥー。アボリジニが伝えるこの木筒楽器は5万年の歴史を持つという。ネパールから帰ってきたばかりのバーバラが現地で詠んだ短歌をご披露。
エメラルドの緑の光りを飲みこめと宝石売りは秘法を語る
こちらはトルコから帰ってきたベリーダンサー加藤ミホ。BELLY(お腹。ちなみにマグロのトロもこう言う) DANCEというのはイスラムのスルタンの前で舞われた舞踊で、そうとうエロティックだ。エキゾチックな美女ミホちゃんのすけすけ衣装に艶かしいおへそが妖しくくねる。
プカプカブライアンズは轟音グランジバンドとして知られているが、カート・コバン真っ青のアンプラグド、しかもノーマイクのアコースティックヴァージョンを聞かせてくれた。

HOME