下にいくほど新しくなっています

1 may(sun)
28 planetary moon

 ついにわしも写真家デビューじゃけえのう。
  中国人作家陳放(ちんほう)が歌舞伎町を描いたピカレスクロマン「海怒(はいぬ)東京黒社会群狼記」の上巻
下巻の表紙を飾っちょるわい。
 ああ、歌舞伎町だから広島弁じゃないか。
 アマゾンでも5星がついているし、本屋で平積みになってて、けっこう売れているらしい。
 他人の本でも自分の絵や写真がつかわれているのを見るのはうれしい。
 ペルーで撮ったミイラの写真だが、ムンクの叫びのような迫力があるぜ。
 絵と写真は兄弟のようで、まったく別物である。
 作品のタイプによってもちがうが、大雑把に分析してみる。
 絵は「イマジネーション」をリスペクトし、
 写真は「現実」をリスペクトする。
 絵は「頭の内側にあるもの」を外に出し、
 写真は「頭の外側にあるもの」を内にとりこむ。
 オレの写真は正面アップが多いといわれるが、その人と対象との距離の取り方がわかる。
 よけいなものがはいらないように、できるだけ対象に近づくのだ。
 大切なのは「なにを撮るかより、なにを撮らないか」である。
 「腕のいい写真家は、腕のいい泥棒である」と誰かが言っていたが、永遠にくりかえせない刹那を盗む。
 ありふれた風景にズブッとカッターを突き刺し、鮮やかな手さばきで四角く切りとり、くるりと丸めて持ち去るのだ。
 アマゾンでは誰も拾わないマンゴが、日本では500円になる。
 友人の写真家リンリン(川内倫子)がうちへきたとき、家の目の前にある植垣を写真に撮った。オレが毎日見慣れたありきたりの植垣である。
 それから数ヶ月後、「広告」(2002年11月号)が送られてきた。宇宙特集で「地球の広告」というのに、横尾忠則や村上隆の作品とともにリンリンの写真がのっていた。
 うちの植垣に張られた蜘蛛の巣に朝露が輝いている。
 目からウロコが1000枚落ちた。
 いかに自分が盲目だったか、
 いかになにげない日常に美が埋もれているか、
 いかにオレの写真が甘かったか、
 いかにリンリンが天才か。
 本物の天才に出会うべし。

 
 川内倫子写真展
 「AILA」
 4月16日(金)―5月9日(日)
 12:00 p. m. 〜7:00 p. m.月曜定休
 入場料:200円(中学生以下無料)
 リトルモア・ギャラリー
 東京都港区南青山3-3-21竹本ビル1F
 TEL.:03-3401-1042(リトル・モア) 
 E-mail: lmgallery@littlemore.co.jp
 地図

3 may(mon)
2 spectral moon

 「神の肉」の第一推敲を終わり、出版社に送った。
 なんだか、走り出したら止まらない。
 もうおとといあたりから「ケチャップ」の続編、
 おっと、笑うなよ。
 「マヨネーズ」
 を書きはじめている。
 オレが暮らしたアテネ、クレタ島、フィレンツェ、マドリッドが舞台だ。
 だってヨーロッパってマヨっぽいじゃん。(説得力なし)
 いろんな妄想があふれてきて、キーボードを叩く指が、イマジネーションに追いつかない感じ。
 1年間ネアリカ(美術)に打ちこんだからこそ、言葉を書くこと(文学)に飢えることができた。
 オレは毎朝、猫にエサをやるときに必ず訊ねる。
「Are you hungry?」(肉体の飢えか)
 わざとホラー映画のナレーション見たく声を震わせる。
「or Angry !」(精神の飢えか)

5 may(wed)
4spectral moon

 歌は突然降ってくる。
 オレもNHKの「みんなの歌」や力三、文部省唱歌とか敷勝男、小学生でもうたえる歌をつくりたかった桐仁。卒業式とう正樹、結婚式でもん木暮、うたえる歌をつくりた、かった瑠ー偉「走れラモス」
 これは「人類総旅人化計画」を推し進めるもちゃん、「いってらっしゃい委員会」の理事長を務めるわたくし生まれも育チモール帝国、が作詞作曲を手がけっぷちの旅人に送る応援歌でアル中る乱暴。(小説に没頭してんで、最近頭混乱気味ーシェルター)

 クイズ これまでの文章の中には6人の
人名が隠されています。全員の名前と職業を述べよ。
 (正解しても笑えないし、達成感もないので、忙しい人はやめよ)

 「旅立ちの歌」

もしも君が傷ついたり つまずいたり へこんだら
青いネガは部屋に捨てて 旅に出てみないか

 空に抱かれ 海に抱かれ 陸に抱かれ 夢見る
 見知らぬ街 見知らぬ人 見知らぬ自分

せまいせまい平均台 列にならんで
背中押され どこへむかう
落ちろ落ちろ! そして目覚めろ
地面が君を受けとめる

 風のように 鳥のように 川のように歌うよ
 へたくそでも君にとどけ旅立ちの歌

もしも君がひきこもって 白い手首切るなら
冷めた涙雨に流し 旅に出てみないか

 森と遊び 虹と遊び 影と遊び 見つける
 変わる景色 変わる気持ち 変わる自分を

走る走る暴走列車止まらないなら
窓を開けて外へ飛びだそう
逃げろ逃げろ! そして旅立て
大地が君を歩ませる

 花のように 波のように 月のように歌うよ
 つたなくても君にとどけ旅立ちの歌

まわるまわる星のうえで旅をつづける
人生はめぐる輪のように
生まれ死んで 生まれ死んで 生まれ
もう一度君と出会うんだ

 君のままに 在るがままに 愛のままに歌おう
 不器用でも天にとどけ旅立ちの歌
 へたくそでも君にとどけ旅立ちの歌
 つたなくても君にとどけ旅立ちの歌
 旅立ちの歌

 クイズ答え 1田谷力三(テノール歌手)、2渡嘉敷勝夫(ボクシングチャンピオン)、3片桐仁(ラーメンズ)、紀藤正樹(弁護士)、4デーモン木暮(悪魔)、ラモス瑠偉(善人)、5メルモちゃん(AV女優)、6アルチュール・ランボー(詩人)。注ーチモール帝国はチムールのまちがいだし、ストーンズの映画「ギミー・シェルター」も人名ではありません。

7 may(fri)
6 spectral moon

 ピカソの「パイプをもつ少年」が113億で落札された。
 ピンクの背景と少年の青い服が鮮やかなコントラストを描き出している。
 オレもしょっちゅう作風を変えるので、「ピカソタイプですね」とか言われると、
 「そんなピカソなんかと比べないでくださいよお」などと謙遜する。
 本音を言うと狂ってると思われるので言わなかったが、正直に告白しよう。
 横尾忠則や岡本太郎はもちろん、ゴッホやピカソより自分の作品の方が上だと信じている。彼らの作品も好きだが、スケールがちっちゃいんだよな。
 はっ、やばいことを告白してしまった。彼らのファンから石つぶてが飛んできそうだ。

8 may(sat)
7 spectral moon

 みなさん、いろいろと励ましのメールありがとうございました。
 苦しくったってえ〜
 悲しくったてえ〜
 コートの中みは、
 全裸なの。
 ようし、雄々しく立ちあがるぞ。
「立った、立った、クララが裸足で日本刀の上に」
 落ち込みなんてファッ休さん、
 強い不安感を
 強い保安官に変えよう。

 佐川さんとまっぽんと亀ちゃんがきた。
 豚足入りゴーヤチャンプルー、あさりとなめことインゲンの炊き込みご飯を食べたあと、霧降高原へいった。
 今日光ツツジが満開である。
 草原一面が桃色の絨毯におおわれる。
 大爆発をおこした超新星のごとく赤いドットが新緑に散らばる。
 桜など足元にもおよばない迫力である。
 「55年生きてきて、こんな幻想的な風景ははじめてです」佐川さんが息をのむ。
  缶ビールとソフトクリームで花見を楽しんだ。
 温泉でとろけ、夜はアボカドのグアカモーレソースにナチョチップスとエルパソ風タコスで満腹になって帰っていった。
 美味しいものは、人を癒すのだ。
 オレも「森のイスキア」になれるかな?
 どっちかってーと「森のバスキア」か。

 ネアリカンのちーぼーもタケちゃんちの帰りに寄った。
 ちーぼーのお父さんは肝臓ガンと大動脈剥離で救急治療室にいる。数ヶ月の命と宣告されたそうだ。
 両親を看取った先輩としていろいろアドバイスする。

 1 治ってくださいと祈るのではなく、その人にとっていちばんいい学びになるようにと祈る。
 2 人は生者に学ばせるために死ぬ。
 3 死出の旅立ちを悲しむのではなく、祝福してあげよう。
 4 「さようなら」ではなく「また会おうね」。
 5 「愛してる」より「ありがとう」。
 6 死者は聴覚が最後まで残っているので、耳元で「もしもぼくが死んだら」を熱唱する。
 「Say see you again 今世はありがとおー、Say see you again 来世もよろしくうー」
 7 死んだ直後は2メートルくらいのところに浮いているので、死体にではなく、天井の方に話かける。
 8 焼き場で骨を食べる。
 9 もうわたしの味方は、背後霊だけです。
 10 死者も生者とともに成長する。(背は伸びない)
 11 死者エネルギーの有効活用。(死者ネタで作品をつくる。これが死者にとっては最高うれしいらしい

 12 骨アクセサリーをもち、かわいい死者には旅をさせろ。
 13 「神の肉」が本屋にならんだら、即買いする。

 この珠玉のようなアドバイスに従うことを誓い、ちーぼーは笑顔で帰っていった。

9 may(sun)
8 spectral moon

 最近、よく歌が降ってくるなあ。
 こんな合唱コンクールみたいな歌はつくりたくないのに、なぜかメロディーまで完成したんで、書きとめておく。

 「ミタクオヤシン」とは、ラコタ・インディアンの言葉で、
 「わたしとつながるすべてのものに」という意味だ。
 今から20年ほどまえに訪ねたデニス・バンクスから聞いた言葉を歌にしてみた。

あなたが花をながめるとき
花もあなたを見つめている
あなたが鳥の歌を聴くと
鳥もあなたに耳を澄ます
 ミタクオヤシン
 つながるすべてのものに
 ひとつひとつの命は
 ひとりぼっちじゃない  
we are the one
世界はあなたを愛してる
僕があなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを
            
あなたが風にふかれるとき
風もあなたを感じている
あなたが木々に微笑むとき
木々もあなたに笑いかける
 ミタクオヤシン
 つながるすべてのものに
 ひとりひとりの祈りが
 今ひとつになる
we are the one
世界はあなたを愛してる
僕があなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを

あなたが星を見あげるとき
星もあなたを見守ってる
あなたが火に話しかけると
火もまたあなたに語りかける
 ミタクオヤシン
 つながるすべてのものに
 一粒一粒の涙が
 いつか時を変える
we are the one
世界はあなたを愛してる
僕があなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを
             
あなたが太鼓を叩くとき
太鼓もあなたのビートを打つ
あなたが大地を歩むとき
大地もあなたを抱いている
 ALL MY RELATIONSHIP
 つながるすべてのものに            
7つの世代を越えて
夢を語り継ごう
we are the one
we are the one
世界はあなたを愛してる
僕があなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを
           
we are the one
世界はあなたを愛してる
僕があなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを

10 may(mon)
9 spectral moon

 「星空」をつくった。
 文庫こころとからだの相談室の関口さんから 「星空の絵を描いてください」とたのまれたので、たんに油絵で描くのではなく、誰でも参加型のオブジェをつくろうというアイディアが降ってきた。
 イメージとしては直径2メートルの丸い板に1〜4等星の星座の穴をあけ、うしろからライトで照らす。
 ひきこもりのフリースペース峠の茶屋をやっているフミちゃんがきて、いっしょに試作品をつくった。フミちゃんはもと家具職人なのだ。太さのちがうドリルで厚さ5ミリの板に穴を開ける。板が厚すぎるとライトから遠い穴が暗くなるので、実際に実験してみないとわからない。ライトも電球か、蛍光灯か、ハロゲンか、効果が全然ちがう。うちの天井からぶらさがるさまざまの照明器具に穴のあいた板をかざして、いろいろと試す。
 イメージするのは誰でもできるが、実際に形にするには努力がいる。
 板の表面に黒板塗料を塗り、チョークで自分のオリジナル星座と神話をつくってもらうための装置だ。
 天を創造した神様ごっこ。
 みんなが夢(ビジョン)を見られるように。
 それがオレの仕事だ。

11 may(tue)
10
spectral moon

 宇都宮で関口さんと会い、フミちゃんとつくった「星空」の設計図を見せた。
 せっかく試作品までつくって検討したのに、ボツ。
 文庫こころとからだの相談室の駐車場の天井ぜんぶにつくってくれと言われたからだ。
 ぎええ、こうなるともう大工さんの領域だ。天井の構造や耐えられる重量まで計算しなくてはならない。
 しかも毎月一回「マイ星座」を作る会に横浜までかよってほしいという。
 う〜む、ちょっと保留。
 今年は小説に集中するためになるべくひきこもりたいのだ。
 ひきこもりの人たちは必死で出ようとしてるのに、オレはひきこもりたがってる。
 なんだか、すごい組み合わせだ。
 日光に人がくてくれるぶんにはかまわないのだが、自分で横浜にかようのはつらいなあ。
 海外に行くときは蝶のごとく腰が軽いが、近場になると漬け物石のごとく腰が重い。
 女子バレーと濱さんから送られてきたR.O.Dにハマる。

12 may(wed)
11
spectral moon

 ペルーからとどいたばかりのアヤワスカ体験を紹介しよう。
 トシさん(男)は、「アヤワスカ!」を読んでないし、ネアリカも参加してないし、オレも会ったことはない。旅先でakiramaniaを見て、メールしてくれた。

 はじままして。ブラジルからメールしています。
 僕は現在2年半旅しているバックパッカーです。アキラさん、そしてこのホームページのことをつい最近知りました。メキシコで会った女の子がアワヤスカとアキラさんのことを話してくれて興味を持ちました。
 僕は元看護士で途中から伝承医学や精神世界に興味を持つようになり、シャーマニズムも知りたかった一つです。アワヤスカを体験したいと思い、これからペルーのタラポトに行こうと考えています。
 ホームページを時々チェックしていて友恵さんやリュウさんの体験を読ませて頂きました。どちらかと言うと僕は説明よりも、とりあえずやってみようというタイプなんですが、スペイン語そして英語も苦手でそれでも行って大丈夫かという不安があります。
 お忙しいと思いますが、もし良ければ何かアドバイスをして下されば幸いです。自分勝手なメールまことに申し訳ありません。

 旅先から知らない人に「どこへいけばアヤワスカを体験できますか」というメールをもらい、何人かに返事を書いたが、その後の経過を知らせてくれた人はいない。トシさんの文面から誠意が伝わり、具体的なインフォメーションを送った。

 はじまましてトシさん。
 スペイン語そして英語も苦手でもぜんぜん大丈夫です。
 タキワシのセッションは直接行って申し込めば受けられます。(週2回)
 バイクタクシーに「タキワシ」とい言えば市内から5分です。
 アヤワスカのまえにプルガ(=ヤワルパンガ。午後3時から30ソル=900円)やらされるけど、アヤワスカのセッション(夜9時から50ソル=1500円)は週2回。たしか火曜と金曜だったと思う。
 大学の学長兼シャーマンのドクトル・ゴンザレスはエロおやじだけど、男ならだいじょうぶでしょう。リュウもダイミー教会のアヤワスカセッションよりよかったと言ってました。彼のクリニック「SONCCO WASI」の住所JR SUCRE NO 87電話094−52−1901.
ここもバイクタクシーに「ドクトル・ゴンザレス」か「SONCCO WASI」とい言えば市内から5分です。
 オレが泊まっていたホテルは1泊3ドルの「FABIO JABIN 」住所JR PROGRESSO 468 BARRIO HUAYCO。
 レストランWAIKIKIのパリウエラ(魚介スープ)は絶対に食うべし。天国の味です。
 buen viaje !(いい旅を)

 28歳のトシさんは、小学校のとき両親を病気で亡くし、12歳年上の姉に育てられた。高校のとき肺の病気で入院し、同室にいた同い年の男が看護士になりたいという話を聞いて、その職業を知る。生前の父親が接骨院を営んでおり、両親を亡くしたときは医者を志した時期もあったので、看護士として三年間働く。酒を飲んで、みんなと楽しむのが好きで、飲むために働いているという感じだった。しかしこのまま生活でいいのかという気持ちが強く、仕事を辞めて旅に出ることにした。
 はじめは中国、そしてチベットとインドで宗教(精神世界)に出会う。それと元看護士ということもあり、伝統医学に興味をもつ。アフリカ、中東、ヨーロッパ、アメリカ、中米、そして現在南米にいて、アヤワスカを体験した。

 1ヶ月ほど前、メールさせていただいたトシです。アヤワスカをタラポトで体験してきました。諸事情で時間がなく、2回しか体験していないので、それでアヤワスカとは、と語れるほどの体験していないし、実際もっと奥の深いものだと思いますが、自分が感じた事、考えたことをメールしたいと思います。文章が苦手で読みにくいと思いますが。
 チクラヨからバスでタラポトへ。火曜日にセレモニーがあると聞いていたので、夜行で月曜の朝到着するように乗ったのだけれど、途中夜中の2時にバスが故障資、12時間待たされてやっと乗り換えるバスが到着。結局着いたのは夜中だった。

 次の日の朝、疲れていたけどタキワシへ。当日参加は出来ない、話を聞く必要もあるのでまた来てくれと言われたので、今度はドクトル ゴンザレスの所へ。丁度セレモニーの日でもしやりたければOKだと言うのでそのまま儀式の場へ。心身ともに疲れた状態だったのであちら側の世界にディープに入っていった。
 アヤワスカを飲んで30分ぐらい経過してからだろうか、妖しく輝く紫色の光が見えてきた。 その光は甘ーく、ささやくように僕を誘ってくる。このままついていってよいのだろうか。期待と不安、心臓の鼓動が速くなり、油汗も出てくる。印象としてはおとぎ世界という感じだった。だけれども僕はその世界へと入っていった。
 その世界に入ると光のパレードだった。そう、まるでディズニーランドのエレクトリニカルパレードの様だった。意識はあり目を開けてみるが部屋は普通である。だけれども目を開けておく事ができなく、また光の世界に呼び戻されてしまう。しばらくすると光の世界は終わり闇に包まれる。不安で体は落ち着きがなくなり冷や汗が出るのと、不安でたまらないので手で顔をぬぐうが、その汗がまるでオイル様な感触。他のものも触ってみるが現実以上のリアルで僕にその存在を訴えかけてくる。そして気がつくとまた幻想の世界へ。
 何を見たのかはっきりと覚えてない事もあるが、ハッピーなことばかりではなかった。このまま薬が効きっぱなしで現実の世界には戻れないのではないかと不安になったり、巨大なネズミが僕の体をはっていたり、悪魔の手が僕の体を触っていてその手をつかんでみたら、爬虫類の様な皮膚の感触で、そして冷たかった。これは現実なのか夢なのか。そうまるで遊園地のサウンドホラーの様な感じだ。ドクトルが奏でる音や歌によって導かれれている様だった。
 僕はこのような状態で考えていた。シャーマンはこの心の旅のガイド。この旅は楽しくもあるが危険も伴っている。色々名ドラマを見せながら、無事現実の世界に戻すのが彼の役目なのではないだろうか。僕のなかでまたディズニーランドになるがジャングルクルーズであった。彼が船のガイド、そして僕は乗客。音楽とともにジャングルの中に入っていく。そして彼がタバコに火をつけるライターの音、タバコを吐く音で一度現実に戻るが、また太鼓の音とともにジャングルの中に入っていくという繰り返しだった。
 無事に戻れるか不安だったが徐々にアヤワスカの効果が切れていくのが分かり、現実の世界に戻る事ができた。まだ頭が痛み、意識も完全に戻っていないが、ドクトルがセレモニーの終わりを告げたので、バイクタクシーに乗り宿に戻った。これが一回目の経験でした。
ドクトルとだけでなくタキワシでもセッションを受けたいと思っていましたが結局僕はやりませんでした。理由は2つ。一つ目はお金。100ソルと聞いてましたが、100ドルだと言う。何度も確認した。そしたらタラポトに住んでいる人は100ソルだけど、それ以外、たとえペルー
に住んでる人も100ドル、他の外国人、フランス人でも100ドルと言われた事。2つめは対応。紙を渡され質問に答える。今まで病気をしたかとか、麻薬をやった事がある課などを記入する。それと受け付けの人がどうしてアヤワスカをやりたいのかを質問してきてそれに答える。そしてドクターに見せてOKかどうかはまた明日返事をすると。翌日行き、君がやりたければOKだと受け付けの人に言われたが僕は止める事にした。
 僕はやるのを決めるのもシャーマン本人に会いたかった。しかしここにはいないと言われた。紙を見ただけでないがわかるのだ。これでは現代西洋医学の検査データばかりを見て人間を見ないのと一緒ではないか。どんな人物がやってくれるのかを事前にみておくことは当たり前だと思う。特にドクトルゴンザレスとアヤワスカを経験してシャーマンの重要性は痛いほど感じていた。それとアキラさんの日記にあった「金の為に力を失ったシャーマンをたくさん見てきた。」というのがありましたよね。僕はそれをここで感じてしまった。僕の考えが間違っているかも知れません。だけれども、こんな気持ちでやっても結果は良くないだろうと判断しもう一度ドクトルゴンザレスのセレモニーを受けることにしました。
 2度目のセレモニーは残念ながら何事もおきませんでした。正確に言うと、僕の理性が拒んでしまった。今回は万全の体調でと、昼寝をして心身友に健康な状態でした。
どっちの世界もというのはだめなんですね。こちらかあちらか。この二派7人一緒にセレモニーを受けていたんですが何人かは吐いていた。吐くという事はあちら側に行くことを拒んだという事でした。あちらとこちらの狭間で僕も苦しみました。理性が勝っていると、あちら側を吐き出そうとする。これは僕らの生体反応なんですね。
 だけれどこれはこれで良い体験になりました。
 長い文章になってすみませんでした。本当に色々とありがとうございました。アキラマニアに出会えてこその心の旅でした。今後も拝見させて頂きます。日本に帰国した時はアキラさんの本を読みたいと思いますし、いつの日かお会いする事ができたらと、思います。
本当に心から感謝、感謝です。


 彼のメールを読んで、視点によって体験はちがってくると思った。本当にそれぞれなのだ。友恵ちゃんはドクトル・ゴンザレスに襲われそうになり、タキワシ(伝統医学を取り入れたクリニック。麻薬患者のリハビリセンターもかねる)によって救われた。リュウはサント・ダイミー教会よりもドクトル・ゴンザレスのセッションの方が深い体験をできた。ふつうアヤワスカは体験を重ねるごとに深まっていくのに、トシさんは1回目の方が深くはいれた。
 アヤワスカ体験は、ひとそれぞれでちがう。オレたちの人生みたく、それぞれに合ったギリギリのハードルを課す。
 アヤワスカは鍵にしかすぎない。
 オレたちひとりひとりが本来もっている広大な宇宙への扉を開けるのだ。
 アヤワスカを新興宗教の教祖みたく万能の神と思ってはいけない。
 恋愛や宗教もふくめ、他者を理想化して依存するのはいちばん危険な罠だし、アヤちゃん本人も嫌がってるはずだ。
 アヤワスカはカラオケアンプと言い換えてもいい。
 その時その時の自分ができる到達点と限界を増幅されたビジョンとして見せてくれる。
 オレの本を読んで過剰に期待した人がアヤワスカセッションを受け、「期待はずれ」とか「地獄を見た」といわれても、オレはなにも答えられない。

 あなたが花をながめるとき
 花もあなたを見つめている

 オレが誰かを批判するとき、誰かもオレをこころよく思っていない。もうひとつ踏みこむと、オレはオレをこころよく思っていないから、誰かに転化したのだ。
 あなたが誰かをほめるるとき、誰かもあなたをこころよく思っている。もうひとつ踏みこむと、あなたはあなたをこころよく思っているから、誰かを愛することができるのだ。
 アヤワスカに限らず、あなたのまわりで起こるすべての現象は、
 鏡だ。

14 may(fri)
13
spectral moon

 香川大介個展が今日からはじまった。
 10作目のネアリカの下絵を担当し、つい先月もいっしょに御柱祭に参加したばっかりだ。
 一時は「腕を切り落としたい」などとスランプに陥ったが、腕がなくなったら足で描く、足も切り落としたらチンポで描く、チンポも切り落としたら口でボールペンをくわえて描くだろう。
 アーティストとは不治の病だ。
 さあ、天才大介の作品をじかに感じてくれ。

 5月14日(金)〜5月29日(土)11:00〜20:00
 LIVE DRAWING 15,17,19日
 LIVE PARTY 22日18:00〜
 デザインフェスタ・ギャラリー(地図
 電話03−3479−1433
 渋谷区神宮前3−20−18


 またまた歌が降ってくる。

「テオナナカトル」

テオナナカトル
手を鳴らかそう
七色の雨
桃色の傘
テオナナカトル
現実は仮想
虹色のトンネル
エンジェルと寝る
Nobody know where is kingdom of paradise(楽園の王国を誰も知らない)
Somebody know how to cotrol the paranois(妄想の操り方を誰かは知っている)
NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NO WHERE
NOW HIRE
今ここに在る
Itユs a magic

テオナナカトル
根を七日掘る
すべては神だ
マリアサビーナ
テオナナカトル
脳の中とる
ウアウトラの奇跡
祝う虎の秘蹟
Nadie que sabe donde esta paraiso(楽園がどこにあるか誰も知らない)
Alguien que sabe el mundo de paralelo(平行宇宙を誰かが知っている)
NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NOWHERE
NOW HIRE
今ここに在る
Itユs a magic

NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NOWHERE
NOW HIRE
今ここに在る
Itユs a magic
テオナナカトル
テオナナカトル

15 may(sat)
14
spectral moon

 女子バレー、すごかったねえ。
 マジで泣き笑い、勝ったときにはジャンプした。
 これはもう、神話だね。
 強豪イタリアとロシアを破った韓国と一騎打ち。
 全勝同士の対決だ。
 その韓国をストレートで勝った。
 スーパー女子高生キムラもすごいが、オレはプリンセス・メグの大ファン。
 メグのスパイクがビシバシ決まり、最後のインタビューで素をだして飛び上がり、佐々木とかにたたかれるシーンは腹を抱えて笑った。

 勝利の最中にババチョフ(10年前に死んだ母)のクラスメイトであるホンチンさんから電話があった。
 パーキンソン病と診断されたホンチンさんの自宅に、おととい妹と見舞いにいったばかりだ。
 ホンチンさんから聞いた話は、ひどいものだった。
 「半年後にはもっとひどくなりますよ」 と言われたり、処方された薬に「まえよりめまいがひどいんです」と言うと、医師は怒り「じゃあ、ぜんぶ薬をやめて、その結果を知らせてください」と言った。
 パーキンソン病と鬱病の薬を飲まなかった3日間は地獄だったという。
 もちろんその場にいないオレには総合的な判断はくだせない。
 ただ、この医者は患者を直すことよりも、自分のプライドのために言ったと思う。
 「患者が医師に逆らうなどもってのほかだ」という上下関係が見える。
 オレは代替医療やホリスティック医学やホメオパシーの話をしたが、70歳のおばあちゃんにはちんぷんかんぷんだろう。
 今日ホンチンさんは担当医師に
言われた。
「パーキンソン病は死ぬまで治りません」
 オレはネットでパーキンソン病に関するいろんな情報を検索している。
 10年前、母親を救えなかったオレは情報ツールをもっていなかった。
 その無念がある。
 今 、母親の親友を救える手だてはないか?
 まるで末期ガンで死んだ母を救うように、必死で探している。
 パーキンソン病治療に関する具体的な情報があったら、教えてほしい。

16 may(sun)
15
spectral moon

 パーキンソン病に関する情報をいろいろといただいた。
 まずは飲み友だちでもあり優秀な医師である関口さんはさすがくわしい。

 医者としての地位やプライドを守るために患者を診ているような医者というのは最低です。日本の医療保険制度の弊害として、まずこういうサービス精神に欠ける医者を大量に生み出していることがあると思います。
 それはさておき、パーキンソン(氏)病のことですが、まずそれが本当にパーキンソン(氏)病なのか、ということがあります。本当のパーキンソン病は、大脳の基底核(黒質、線状体というドーパミンを出す細胞の機能の低下)の変性からくる比較的まれな病気です。
 症状は同じ(手指の震戦、関節の剛直、小刻みな歩行、仮面様顔貌など)ですが、老人の場合、大部分はパーキンソン症候群と呼ばれるものであり、脳梗塞からくる合併症であることが多いのです。また向精神薬などの副作用によるものもあります。ただしパーキンソン病であれ、症候群であれ、治療は同じ薬剤を使います。
 薬剤に関しては、どれもドーパミンを補うもので、もっとも効果的(ただし副作用も強い)なのは、ドーパミンの誘導体(レボドーパ、カルビドーパなど・・・なにか焼き肉屋のメニューのようですが)を直接投与するものです。
 副作用としてはドーパミンによる中枢神経系の刺激作用として、幻覚や妄想がけっこう高い率で生じることがあります。これは統合失調症や覚醒剤の幻覚症状が、ドーパミンの過剰により起こるといわれていることを考えれば当然のことです。これはシーソーのような関係になっているといわれています。つまりドーパミンが少なくなるとパーキンソン症候群になるし、ドーパミンが多くなると幻覚や妄想が起きるという。
 このへんのバランス、つまり副作用を起こさない程度に薬を調節する、あるいは幻覚などが起きたらパーキンソン症状を悪化させない程度に向精神薬を用いるなどが医者の腕のみせどころとなっているわけです。
 またこれらの治療薬を急激にやめることは、そのリバウンドがあるため危険です。その点でもこの医者はとんでもない医者です。
 さらに、たばこを吸わない人にパーキンソン病が多いとか、うつを合併することが多いといわれています。私が感じるには、長年自分を押さえ込んできたような生真面目な人に多いように感じています。


 なるほど、ホンチンさんが鬱を併発してる理由もわかる。そしていちばんの悩みは薬の副作用である。
 ガンを克服した明子さんからのメッセージは心に響く。

 バック トゥ ザ フューチャーの マイケルJフォックスがパーキンソン病で彼の闘病の本がベストセラーになりました。
 私も一年くらい前に友達に借りて読みました。残念ながら彼は少しずつ病が進行しているようですがあの本で初めてパーキンソン病のことを知った人も多かったし彼の生きる勇気に感動した人も多いと思います。
 彼は本の中でこのような文を書いていました。AKIRAさんも聞いたことがあると思いますが、祈りの言葉です。

 神様、自分では変えられないことを
 受け入れる平静さと
 自分に変えられることは変える勇気を
 そしてそのちがいがわかるだけの
 知恵をお与えください。

 この言葉が素敵だったので、本から手帳に書き写していました。もし、ホンチンさんの現状が変えがたいものであったとしてもそれを心から受け入れる事が出来ればそれが新しい人生の始まり、変化の始まりであると思います。
 この世の生は病のままで終るかも知れませんが直るかも知れません。病が完治することが幸せなのか私にはわかりませんがホンチンさんの願いか叶いますように心から祈っています。

  鍼灸マッサージ師の知恵子さんからもアドバイスをいただいた。

 鍼灸の世界では、パーキンソンの進行をとめられる。という報告はよく目にしています。
 ドーパミンという、快楽物質がうまく流れないのが原因らしいので気持ちのいい生活も大事なようです。

 すぐれた鍼灸師であり翻訳家である上野圭一さんの総合健康研究所をさがしたが見つからない。パーキンソンで検索していると、「高麗手指鍼治療」というのを見つけた。もしこのサイトに書いてあることが本当なら、いいかもしれない。
 そば名人の大森さんは、スリランカにあるアーユルヴェーダ施設を教えてくれた。
 「バーべリン リーフ アーユルヴェーダ リゾート」(Barberyn Reef Ayurveda Resort)という。ホテル完備のかなり本格的なアーユルヴェーダ治療院のようだ。
 オレも25年前インドで死にかけたとき、アーユルヴェーダに助けられたんで、かなり効果はあるだろう。しかしスリランカはちと遠い。
 そこで「オレがガンになったら絶対ここにかかろう」と思っていた帯津三敬病院を調べた。日本ホリスティック医学協会(JHMS)会長の帯津良一氏が82年に設立した病院で埼玉の川越にある。漢方や鍼灸、気功やホメオパシーまでとりいれたホリスティック医学の集大成である。電話したのだが、パーキンソン病はあつかっていないと言う。
 アマゾンコムで「パーキンソン病を治す本 薬を使わない画期的治療でよくなる人が続出!」というのを注文する。この手の本はちょっとあやしいのだが、著者である池田国義氏のことを調べた。びわの葉をつかった灸や催眠療法もやるという。千葉県市川にある池田神経内科クリニックに電話したが、予約がずっと先までいっぱいで、とることができない。しかも保健がきかないのでかなり高額な治療費がかかると言われた。
 う〜む、「EM-X」という抗酸化機能性食品が効くという証言もある。これは沖縄のパパイヤやパイナップル、グヮバなどの植物をEM(酵母や乳酸菌)で処理し有効成分のみを抽出したものという。500mlで5000円だから1日50mlで1ヵ月15000円になる。
 とりあえずあまり金のかからないホメオパシーからはじめるか。
 日本ホメオパシーセンター本部東京の初台にある。カウンセリングは1時間10500円で、レメディー(ホメオパシーの薬)は1瓶525円からと低額だ。
 数えるほどしか会ったこともない母の友だちの病気に、なんでこんなに一生懸命になるのかわからないが、「なにかを学べ」という母からのメッセージかもしれない。
 自分に起こるすべての現象に意味がある。
 自分に関わるすべての人がメッセージを伝えてくれる。
 そう思いこんで、
 今、
 瞬間、
 刹那、
 を人と関わって生きている。
 べつに偉そうなことじゃない。
 将来自分が病気になったときのシミュレーションにもなるし、誰かの助けになれば、めぐりめぐって自分に返ってくるだろう。
 「風が吹けばカラオケ屋が儲かる」ということわざどおり、
 すべては「空っぽのOK」に
つながっているのだ。

18 may(tue)
17
spectral moon

 Syrup16gの最新アルバム「Mouth to Mouse」を新星堂で試聴した。五十嵐くん(ボーカル・ギター)のあまりに変化に驚き、全曲聴ききってしまった。

 1. 実弾
 2. リアル
 3. うお座
 4. パープルムカデ
 5. My song
 6. Mouth to Mouse
 7. I・N・M
 8. 回送
 9. 変態
 10. 夢
 11. 希望
 12. メリモ
 13. ハミングバード
 14. Your eyes closed

 今までのシロップは、太宰治級のネガティブさで誰もが見て見ぬふりをしてた人生の真理を暴いてきた。
 インディーズ時代の「 COPY」とメジャー・デビューを飾った「coup d'Etat(クーデター)」は日本ロック史上最高のアルバムだとオレは断言する。
 なで肩のJポップを聴いて楽しめる人には、危険すぎるバンドであった。
 「あった」と過去形にしたのは、わけがある。
 最新アルバム「Mouth to Mouse」では、壮大な生命賛歌と愛がテーマになっているのだ。9曲目の「変態」では、サナギから脱皮した蝶が太陽へとのぼっていく歌詞ではじまる。五十嵐くんのボーカルもカミソリのような切れ味から包みこむような声に変化し、サウンドも重厚さを増した。アルバムセールスは22位を記録し、もうオレごときが布教する必要もなくなった。昔のファンとしてはちょっと淋しいが、成長しつづけるのは才能あるアーティストの宿命である。(ミュージッククリップはこちら
 「Mouth to Mouse」は本当に傑作です。誰か買ったら貸して(笑)。
 なで肩Jポップ嫌いの人にはブラッドサースティーブッチャーズモーサム・トーンベンダーもおすすめだよ。

19 may(wed)
18
spectral moon

 ジャー・ヒロさんからメールがきた。
 いつか日記でも書いたように、83年原宿に「トレンチタウン」というレゲエの店を開き、日本にラスタスピリットを広めた歴史的人物である。
 ヒロさんは「ラスタマン・バイブレーション」という自作の小説を復刊させようとしている。去年のクリスマスにおこなわれた「ネアリマス・パーティー」ではじめて出会った。
 いただいた「ラスタマン・バイブレーション」を読んで惜しいと思った。すばらしいスピリットをもっているのに。
 文章を書いてると
いう人から「出版社を紹介していただけませんか」とよく言われるが、答えはぜんぶ「No」だ。
 オレにはそんな権力もないし、本の世界はそんなに甘くないのを痛感している。

 お久しぶりです。前にお世話になったヒロです。「ラスタマン・バイブレーション」の改訂原稿五部と新作の「ジョーの王国」の原稿五部をいくつかの出版社に送ってみましたが、結果は殆んど反応なしでした。
 めるくまーる社からは手厳しい批評と共に二種二部返却され、講談社(二種二部)、幻冬舎(ラスタ・・一部)からも直ぐ返却されました。
 後の新潮社(ジョー・一部)、みすず書房(ジョー・一部)、大和出版(ラスタマン・一部)からは反応なしでした。ただ二見書房(ジョー・一部)の編集者から電話があり、偶然読んだが、「とても面白いので、他の人に読ませてみる」と言ってました。でもそれで話は終わりのようでした。
 結局反応は限りなくゼロに近く、さてこれからどうしよう?というところです。とにかく次の作品を書き出してはいるのですが、出版社の情報に疎いのも問題だなあと後悔もしています。
それでもし何かアドバイスがおありならよろしくお願いします。また、お忙しいでしょうが、折をみて新作「ジョーの王国」を読み、感想をいただけなら早速送りたいと思っています。

 今最新作を書いているし、有名作品はおろか他人の作品を読む余裕はない。そこでせいいっぱいの長文メール(オレにとっては)をかえした。
 これから作家を目指す人にも参考になればと思い、あえて書いた。

 ヒロさん、おひさしぶりです。
 めるくまーる社から「神の肉」が出るのですが、「出来は85点ですね」と言われ、120点になるよう書き直しています。めるくの和田さんはたくさんの名著を送り出したすごい編集者なので、手厳しい批評も真摯に受けとめるべきです。
 「ラスタマン・バイブレーション」はすばらしいスピリットをもっています。
 ほとんどの本がそのスピリットをもっていません。
 これは誇りにしてください。
 しかし逃げ道につかわないでください。
 あえて言います。
 問題は文体の精度です。
 すばらしいスピリットを表現するための文章が甘すぎます。
 スピリットによりかかって、文章を研ぎ澄ます努力がなされてないので、共倒れしているのです。
 すぐれた編集者は「自己陶酔」の臭いを敏感に嗅ぎ取ります。
 ストーリー、背景描写、心理描写、登場人物のリアリティー、動機づけ、プロットの精度を徹底的に高めないと、ラスタの世界に万人を引きこむのは至難の技です。
 すいません、ヒロさんにはそれができると思うので、きびしいことを言ってます。
 僕も同じ問題をかかえていましたので良くわかります。スピリットはあるが技術が未熟という問題です。
 そこで技術を研究しました。
 まずだまされたと思ってディーン・R・クーンツの「ベストセラー小説の書き方」(朝日文庫)を読んでください。具体的な技術が示されています。
 これを読んでから、普段はバカにして読まない娯楽小説を徹底的に分析したのです。
 なぜスピリットのない本がこれほど読まれるのか、その技術を盗もうとしたのです。
 ジョン・アーヴィングの「ガープの世界」、
 スティーブン・キングの「呪われた町」、
 アイラ・レヴィンの「死の接吻」、「ブラジルからきた少年」、
 アリスティア・マクリーンの「ナバロンの要塞」、
 瀬名 秀明の「パラサイトイブ」まで分析しました。
 ストーリー、背景描写、心理描写、登場人物の特徴、動機づけ、プロットを書き出し、本には何カ所も色ペンで書き込みます。
 この猛勉強のあとに「アジアに落ちる」を書き直し、講談社のベストエッセイ賞の最終候補にいとうせいこう氏や壇ふみ氏とともに選ばれました。
 技術は真剣に学ぼうとすれば誰でも身に付きます。
 スピリットに技術がくわわれば恐いものなしです。
 よりたくさんの読者にメッセージを伝えたければ、技術を学ぶのは苦ではありません。
 プロとアマの分かれ道です。
 わずか1ヵ月の集中勉強でしたが、いまだに役に立ってます。
 「ラスタマン・バイブレーション」のスピリットが、ヒロさんの新たに手に入れた技術力によって、万人に届くことを祈ります。


 ヒロさんからすぐ返事がきた。

 貴重な助言、有難うございます。正しくあなたの指摘のとおりだと痛感しました。心優しいレゲエ・フアンに囲まれて、褒められてばかりいたので自分の安易に走る表現方法に胡坐をかいていたのでしょう。
 もう一度文章修行をやり直すつもりで頑張ってみます。まあ、書くことは、今の僕には「呼吸する」ことと同じなので、書くことを止めるつもりはありません。
 僕の言葉を待っている若者達がいるので・・・。でもプロになるか、アマで終わるかの分岐点にいることを実感しました。

 オレにとって最高にうれしいのは、「今の僕には呼吸することと同じなので、書くことを止めるつもりはありません」という文章だ。
 他人の生とかかわるには、覚悟が必要である。
 パーキンソン病になった母親の親友に関して、
 今、 そのことをずっと考えている。

20 may(thu)
19 spectral moon

 群馬が燃えている。
 桐生方面にある「地球のうた」というカフェで、ネイティブの唄を歌う集いに参加した。すごい辺鄙なところにあるのに、座りきれないほどの人が集まってくる。
 オーナーであるひろみっちのむっちゃファンキー人柄にみんな吸いよせられるのだろう。
 本格的なネパールカレーや麻の実入りコーヒーなどをだしている。ヘンプグッズも充実していて、なんだかすごい店である。
 集まってくる人もおもしろくて、オレも浮かないですむ。(なかなかそういう場所がないのよ)。そうそうビート詩人ナナオさんのイベントを主催した星野さんはアマゾン帰りのリュウのことも知っていたぞ。
 ネイティブの唄のなかでウイチョル族の唄が2曲もでてきたのにはびっくりした。オレはアイヌの神降ろしの唄「チュプカワ」を紹介した。集まりにきたみんなで輪唱し、すげえかっこよかったよ。「風の子レラ」のクライマックスにもでてくるし、参加した人のためにもアイヌ語の歌詞を書いておこう。
 
 チュプカ ワ   東の空から
 カムイ ラン   神様(ふくろう)が降りてきて
 イワニ テッカ  アオダモの枝に
 オレウ      とまる
 イワ トゥイサム 岩山のはたに
 エ タンネ マウ 長い声の響きを
 アノウ      聴いた

 参加者のなかで「キネシオロジー」という身体療法をやっているはとりさんから実際に施術してもらった。
 キネシオロジー(kinesiology)はギリシャ語が語源の「キネシオ=運動」と「オロジ-=学」の組み合わせだ。
 アメリカではキネシオロジーという学部や学科がたくさんの大学にあり、日本でも筑波大学にある。
 60年代にアメリカのグッドハート博士が筋肉反射を応用した療法「AK=アプライド・キネシオロジ-=応用キネシオロジ-」を開発する。
 それを一般の人にもできるように「TFH健康法=タッチフォーヘルス」として世界中にひろめていったのである。
 ここでは応用キネシオロジ-をキネシオロジ-と呼ぶことにする。
 はとりさんはロスアンジェルスでキネシオロジ-を学び、日本での第一人者本間淑郎先生からさらに発展させたキネシオロジ-を学んだ。
 オレはここ数ヶ月間の集中執筆によってちょっと腰を痛めていた。(一日15時間不動の姿勢で指先だけ動かしてんだぜ。 作家が画家に比べて短命なのはこのせいだろう)
 オレは足をややひろげて立ち左腕を床と平行にあげる。オレは体を前後左右に傾け、はとりさんがさまざまなポーズでの筋肉反射を調べる。それから割り出した脊柱の一点を押す。背中にある首の付け根あたりだった。
 えーっ、腰が軽くなったぞ。
 なんで首を押しているのに腰に届くんだ?
 キネシオロジーは東洋医学の14の経絡と五行をつかうんだって。
 理論はともかく、効果がすぐわかる。これはシャーマンの治療と同じだな。患者は「論より証拠」を欲しているのだ。
 みんなが温泉にいくのにオレを待っていたんで15分くらいしか受けられなかったが、キネシオロジ-は効くね。
 未来の医療にまた新しいカードがくわわったと思う。

22 may(sat)
21 spectral moon

 ただいま個展中真っ最中である大介からのメールを勝手にのせちゃう。
 大介の言葉は普遍性をふくんでいて、これから創作していく世代へ知ってほしい苦悩だ。

 お久し振りです、相変わらず忙しい事と思います。先日の日記に個展の告知をのせてもらってすぐにお礼のメールを出すつもりだったのですが今また改めて送らせてもらいます。
 本当にありがとうございます、スランプの件は直接アキラさんに話したわけではなかったのですが、書かれていたとうり僕にとって腕を切り落とすというのは、いいものをつくるための極めてポジティブな考え方でした。
 実はいまだにスランプは抜け切れておらず、もうずっと長い事納得のいく作品をつくれていません。気が付けば同じ絵を描き続けています。
 今日メールしたのは14日に加えて今日の日記に考えさせられる事があったからなのですが、
今の自分を重ねて(ヒロさんに失礼かとは思うのですが)同じ事が言えると思いました。僕は飯喰ってようが糞してようがSEXしててでも描ける器用な手を持っています。
 その手と周りの評価に頼って今まで描き続けてきましたが、その中にはやはり自己陶酔が混じっていたと思います。「腕を切り落としてまでいい作品をつくろうとする自分」に頭がボーっとしていました。今まで頼りにしていたものを、邪魔だから切るってのはやはりおかしな話ですよね。
 そこに至るまでの努力を全くしていません、自分の絵をもっともっと深く、いいものにしたいと思う気持ちだけでそれに伴うはずの行動が欠けていた事が今こうやってキーボードをたたいてて思われました。
 まあしばらくはまたうじうじ悩むとは思うのですが、やらなければいけないことがだんだんと見えてきました、
 絵は僕にとってもやはり呼吸することと同じです、乱れる事はあってもやめる事はできないと思います。
 不治の病であることを願います。
 そして今やってる個展ですが、今回は約1年前の作品とライブで現在進行中の作品を向かい合わせで展示してます。正直なところ今描いているのはあましよくないですが、22日にライブをラスト一回残しています。
 1年前の作品に負けるわけにもいかないので(別に戦ってるわけではないのですが……)頑張ろうかと思います。


 オレは酔っぱらいながら返事を書いたのだが、大介に送らず、ここで公開しちゃえ。

 大介はひとつの画風を確立した。
 これは奇跡と言っていいほど、すごいことなんだ。
 奇跡を一生やりつづける義務はないし、
 いつ消えてもいい。
 未来を設定するのはやめれば、楽チン。
 ほうっておいても美しい絵を描けてしまう自分の腕を切り落としたいって未来を設定してるんじゃないの?
 オレも大介も誰も彼も、
 明日はない。
 昨日はない。
 今日もない。
 あるのは、
 どどどど、ドット連続する今。
 大介の絵は自分の才能だけでできあがっていると思う?
 ちがう。
 表現すらできずに消えていった無数の死者が大介の腕を選んだのだ。
 アーティストなんて空っぽの器にしかすぎない。
 もしくはあの世とこの世をつなぐ変換装置でしかない。
 あっというまに消えてしまう、
 虹だ。
 香川大介という才能に満ちあふれたアーティストなんて、
 この世に存在しない。
 だって「AKIRA」も「香川大介」も「キム・ジョンイル」も「ホンチンさん」も、「回覧板を回しにいったときでてきた子どもの笑顔」も、
 かけがえのない「現象」なんだ。

 「お座敷小唄」の替え歌

 ちゃんちゃら ほんがらがった(手拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(足拍子)

 富士の高嶺にはる虹も
 京都先斗(ぼんと)町にはる虹も
 虹にかわりはないじゃなし
 ボケて消えればみな同じ

 ちゃんちゃら ほんがらがった(目拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(耳拍子)

 好きで好きで 大好きで
 死ぬ程好きな アートでも
 愛という字にゃ 勝てやせぬ
 泣いて別れた 歌舞伎町

 ちゃんちゃら ほんがらがった(口拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(鼻拍子)

 女神しばらく 来ないとて
 短気おこして やけ酒を
 飲んで腕をを 落とすなよ
 お前一人の 身ではない

 ちゃんちゃら ほんがらがった(表拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(裏拍子)

 一目見てから 好きになり
 ほどの良いのに ほだされて
 呼んで呼ばれて いるうちに
 忘れられない 画家となり

 ちゃんちゃら ほんがらがった(白拍子=平安時代の後期に活躍していた女性芸能者)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(影拍子=現代にまで受けつがれている裏芸能者)

 どうかしたかと 肩に手を
 どうもしないと うつむいて
 目にはいっぱい 泪ため
 貴方しばらく 来ないから

 ちゃんちゃら ほんがらがった(4拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(3拍子)

 アートはロンドンか ド、ドイツか
 唄の文句じゃ ないけれど
 お金も着物も いらないわ
 貴方ひとりが 欲しいのよ

 ちゃんちゃら ほんがらがった(しゃんしゃん手拍子)
 ちゃんちゃら ほんがらがった(足拍子)

 小人さんがならんでにぎやーかに、
 ほーいほーいのどんじゃらほい

23 may(sun)
22 spectral moon

 「インディージョーンズ」を見ていると、特番がはさみこまれた。
 北朝鮮に拉致された家族のうち5人が日本にきたという。蓮池さんの長女(22歳)長男(19歳)、地村さんの長女(22歳)長男(20歳)次男(16歳)だ。
 政治家やマスコミの異常さに驚いた。
 もちろん彼らはわれわれ野次馬の先兵である。オレたちが見なければ視聴率は上がらない。
 「そっとしといてやれよ」と思った。
 16歳の少年を自分にかさねてしまう。
 彼は「帰国」したんじゃない、
 日本に「拉致」されたんだ。
 彼は北朝鮮で生まれ、日本イコール悪と教えられ、親が帝国日本に拉致されたと思っているかもしれない。
 ものものしい警備と黒服の男たちにかこまれ、囚人さながらのあつかいだ。
 そんな危機的状況に追いこまれた16歳が、レインボーブリッジの夜景に感動するか?
 核開発も援助の取引もどうでもいい。
 16歳の孤独をなぜリスペクトできないんだ。
 ジョンイルやコイズミの取引なんてどうでもいい。
 物だけにあふれ、家族までも崩壊したこの国が天国か?
 思い出してほしい。
 君が高校1年(16歳)のとき味わった、世界からの疎外感を。
 君が高校3年(18歳)のとき味わった、世界からの疎外感を。
 君が大学1年(19歳)のとき味わった、世界からの疎外感を。
 君が大学2年(20歳)のとき味わった、世界からの疎外感を。
 君が大学4年(22歳)のとき味わった、世界からの疎外感を。
 誰もが自分が味わった孤独から、
 未来を汲みあげる。
 16歳の孤独は永遠に消えはしない。
 帰依もしない。
 したたかに生きのびていく。

24 may(mon)
23 spectral moon

 朝の9時から夜の7時まで10時間歌いっぱなし。
 オレとタケちゃんのユニットでは役割分担がはっきり分かれている。
 1 オレが詞と曲をつくる。
 2 オレがひとりで録音し「原曲集」CDをつくる。
 3 タケちゃんが何時間もかけてアレンジし、ひとりで演奏して、録音する。
 4 オレがボーカルとコーラスをいれる。
 この4段階を経てアルバムが完成するのだ。
 んで、今日は1と2の段階をひとりでひきこもってやっていた。
 4のコーラスは時間がかかるけど、メインボーカルの録音はほとんど1発録りだ。
 それにくらべて2はオレが弾き語りなんで、うまくいくまで何十回も歌いつづける。
 今日はやっと5曲を録音できた。
 ってことは1曲を2時間も歌っていたんだ。
 今日は日曜日なんで、うちのよこをたくさんの観光客がとおる。
 近所の人も「稲荷町の組長さんは1日じゅう歌ってますねえ……」とか迷惑がっているだろう。
 また「キリギリスはうらやましいですねえ」とか言われているかもしれない。
 何日かまえに書いた「ミタクオヤシン」と「テオナナカトル」の歌詞をちょっと書き直した。
 やっぱ毒がはいらないとラブアンドピースみたくなっちゃうのよ。
 「毒」大切です。

「ミタクオヤシン」(ラコラインディアン語で、わたしとつながるすべてのものに)

あなたが花をながめるとき
花もあなたを見つめている
あなたが鳥の歌を聴くと
鳥もあなたに耳を澄ます
 ミタクオヤシン 
 すべてのつながるものに 
 ひとつひとつの命は 
 ひとりぼっちじゃない 
世界はあなたを愛してる
ぼくがあなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを

あなたが風にふかれるとき
風もあなたを感じている
あなたが木々にふれるとき
木々もあなたにキスをかえす
 ミタクオヤシン
 すべてのつながるものに 
 ひとりひとりの祈りが
 今ひとつになる
世界はあなたを愛してる
ぼくがあなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを

あなたが友をいじめるとき
友もあなたを恐れている
あなたが火をもてあそぶとき
火もまたあなたに燃えうつる
 ミタクオヤシン
 すべてのつながるものに 
 一粒一粒の涙が
 いつか時を変える
世界はあなたを憎んでる
ぼくがあなたに泣いてるように
世界はあなたを拒んでる

あなたがぼくに微笑むとき
ぼくもあなたに笑いかえす
ぼくらが星を見あげるとき
宇宙もぼくらに歌っている
 ALL MY RELATIONSHIP
 すべてのつながるものに 
7つの世代を越えて
夢を伝えていこう
世界はあなたを愛してる
ぼくがあなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを

世界はあなたを愛してる
どうしょうもなく どうしょうもなく 愛してる
世界はあなたを愛してる
どうしょうもない どうしょうもない あなたを

世界はあなたを愛してる
どうしょうもなく どうしょうもなく 愛してる
世界はあなたを愛してる
どうしょうもない どうしょうもない あなたを

世界はあなたを愛してる
ぼくがあなたを愛するように
世界はあなたを求めてる
在るがままのあなたを


「テオナナカトル」(マサテク語でマジックマッシュルーム)

テオナナカトル
手を鳴らかそう
七色の雨
桃色の傘
テオナナカトル
現実は仮想
虹色のトンネル
エンジェルと寝る
Nobody know where is kingdom of paradise
(誰も楽園の王国を知らない)
Somebody know how to cotrol the paranois
(誰かは妄想をコントロールする術を知っている)
NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NO WHERE
NOW HIRE
今ここに在る
Itユs a magic

テオナナカトル
根を七日掘る
すべては神だ
マリアサビーナ(
マジックマッシュルームのシャーマン)
テオナナカトル
脳の中とる
ウアウトラの奇跡(
マジックマッシュルームの聖地)
祝う虎の秘蹟
Nadie que sabe donde esta paraiso
(誰も楽園がどこにあるか知らない)
Alguien que sabe el mundo de paralelo
(誰かはパラレルワールドを知っている)
NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NOWHERE
NOW HIRE
今ここに在る

Nobody know where is kingdom of paradise
Somebody know how to cotrol the paranois
NO WHERE
NOW HIRE
どこにもない場所が
NO WHERE
NOW HIRE
今ここに在る
Itユs a magic

テオナナカトル
いい女がとおる
テオナナカトル
帝王な加藤
テオナナカトル
毛をなんか剃る
テオナナカトル
でお腹減る
テオナナカトル
火尾長科鳥
テオナナカトル
でオナラひる
テオナナカトル

 ちょうど録音が終わると、半蔵がきた。香港にいくのでビデオを貸してくれという。
 そのあとタケちゃんの奥さんヤスコちゃんと、ジュンジュンと彼氏のユキちゃんがきて、「後楽」という中華屋で飲んだ。
 創作に集中する非現実世界から、人がいる現実世界に連れもどされるギャップは最高である。
 生ビール、うめえ!

25 may(tue)
24 spectral moon

 「ゲットナビ」(7月号)という雑誌が送られてきた。
 トップ企業のビジネスマン特集である。「マーケティングに欠かせないビジネスソースを公開してください」という質問に楽天のインフォシーク リスティング・サーチ事業部プロデューサーの川島卓さんが、akiramaniaのサイトを紹介してくれていた。
 ううむ、akiramaniaは 「マーケティングに欠かせないビジネスソース」だったのか(汗)。たしかにこれを読めば日光の清滝にある中華屋「後楽」が安くてうまいのがわかる。わかってどうすんだあ! 川嶋さんの紹介文はこうである。

「尊敬するアーティストのページ。このサイトを見ているだけで巷にあふれるクールという言葉がどれだけ陳腐なものかを考えさせてくれるはず。ぜひのぞいてみてほしい」

 たしかに昨日の夜はクールでストーブをひさびさにつけた。たしかにうちの冷蔵庫には「COOL DOWN」というメタル文字がはってある。なぜそれをリスティング・サーチ事業部プロデューサーが知っているのだ。さすがは「市場の動きや流行にセンシティブな人気企業のプランナー」である。
 ありがとう川嶋さん、うれしいです、戸田光太郎さんといっしょに紹介してくれて。日光に温泉にでもはいりにきてください。「後楽」で飲みましょう。

 ついでに新曲発表。

「ダウン」

青いPOTの煙に揺らぐ
君の面影
長いドレッドの髪を揺らして
なにを歌うの
壊れた時代 壊れた家族
壊れた秩序 壊れた愛を
それでも死ぬなというなら
生きても死んでいるんでしょう
down down down down
down down down down
空が落ちてくる

白いDOOPをスプーンで炙る
君の面影
痩せた背中をひとり丸めて
なにを描くの
失くしたビジョン 失くした希望
失くした未来 失くした夢を
それでも生きろというなら
死ぬまで生きのびましょう
阿吽阿吽阿吽
阿吽阿吽阿吽
まだ息がある

黒いM Mをむしゃむしゃ食べる
君の面影
のびた顎髭片手でさすり
なにを語るの
落とした涙 落とした言葉
落とした歴史 落とした今を
それでも許せというなら
すべてを抱きしめましょう
dawn dawn dawn dawn
dawn dawn dawn dawn
夜が明けてゆく

26 may(wed)
25 spectral moon

 カナダ在住のマサからネイティブカナディアン(インディアン)のレポートがあった。まだ面識はないが、いい感性とそれを磨く勇気をもっている人だ。お辞儀の話やハンセン氏病の話もおもしろいし、最後のダライラマの握手も感動的なのでメールのほとんどを抜粋して紹介しよう。

 さて、今回久々にメールさせていただいたのは、先月ですがカナダの最西端にある「フローレスアイランド」を訪ね、以前AKIRAさんがカナダのネイティヴにも興味があると言っておられたので報告ではありませんが、僕の見たり感じたりしたことを、少しお話しようと思ったからです。
 フローレスアイランドへは僕の住むバンクーバーからはバスやフェリー、ウォータータクシーを乗り継ぐと10時間近く掛かりました。
 この島にはファーストネーション(ネイティヴ)の人たちが住むリザーヴがあり、島の99%はファーストネーションです。ヌーチャヌルス族というらしいですが、小さな部族が今では入り混じっているようです。 
 カナダの西海岸のファーストネーションといえばハイダ族が有名ですが、島で友人になったジョージという男が言うには「俺たちと彼らは違う」なのだそうです。
 今まで、オーガニックファームステイを経験したので、島へは幾つか行きましたが、ここは他の島とは期待通り違いました。まず、住人の顔がどちらかというとミクロネシアンや東南アジア系です。
 海外へ出ると感じることは、当たり前のようですが自分で感じないと分からない日本での常識は世界の常識ではない、ということです。
 この島はカナダの果ての果てにあると言うわけではないですし、AKIRAさんが訪れた場所にはまだまだ原始的な生活をしている人たちともあったと思いますが、彼らは英語を話し、着る服は今時のカナダの若者とさほど変らなかったりですが、確実に何かが違いました。
 それはただ単に外見だけではなく。
 島には信号はなく店らしき店もありません。 (一応)スーパーにあったたまねぎは全部腐っていたし、箱に入ったシリアル、その他の類の商品は見事に日焼けして色褪せている始末です。
 島には(一応)トレイルコースがあるのですが、殆どが沼地状態です。ホステルで一緒になった旅慣れたオーストラリア人でさえも、あれはトレイルじゃなくてアドベンチャーだよ、と言っていました。
 そんなトレイルコースの途中には野生の白頭鷲の巣がありました。 彼らの外見は大きく、一見すると脅威的にさえ感じたりしますが、その鳴き声は、まるで楽器のような魅惑的な響きです。 
 先に名前を出したジョージには村をぶらぶら歩いていると、家の前でイーグルの頭の彫刻を彫っている途中の彼に出会いました。
 話を聞くと、彼はプロとして彫刻を堀り、おじいちゃんの代からそれを教わっているということでした。
 島には沢山の犬がいて、首輪をしているのは一匹も見ませんでした。どれもこれもなつっこいを通り越しまとわり付くという表現が正しいほど無垢です。島内での交配なので似たような顔をしたのが多かったです。
 小さな子供達はゴロゴロの石の上をはだしで歩き回り、親戚や友人の子供と自分の子供のように接しています。
 小・中・高と一緒の小さな学校にはサッカーゴールがあり、そこで数人の子供達がぶら下がり、立てたり倒したりして遊んでいました。
 これが日本での風景ならば、親が血相を変えてそのあそびを止めに入ること間違いなしですが、親も誰一人お構いなしです。実際、日本人の僕から見れば危ないと感じるあそびなのですが。
 僕の母親の故郷が日本では有名な彫刻の里なので、その話をジョージにしたなら、本当に日本へ行ってみたい、その彫刻を見てみたい、と言っていました。
 いつか、この双方を結びつけることができたら・・・と思いました。

 僕が宿泊していたホステルからは半島状のリザーヴまでは例のジャングルトレッキングコースを行くか、ボートで渡るしかありません。
 滞在3日目の朝だったでしょうか、村(リザーヴ)からボート用のガソリンを買いに来ている家族を発見しました。僕はその日も村に行こうと思っていたのでそのボートの主であるジェリーという男に村まで乗せてってくれないか、と頼みました。彼は快諾してくれました。
 ボートには彼の子供や親戚の子供数人と一緒でした。小学校高学年と思われる少年はSONYのCDウォークマン片手にラップを聴いています。船上で2人の子供がこんな話をし始めました。
「この歌は黒人が歌っているんだぜ。 黒人って二ガーって言うって知ってる?」
 そんな話を始めたとたん、物静かだったチャーリーは「俺は、そういう言葉は嫌いだと言っているだろう、もう二度と使うな」と厳しい口調で叱り付けました。
 僕はその時はしっかりした父親だと思うにとどまったのですが、よくよく考えると北米ではネイティヴの人達は黒人と同じか、もしくはそれ以上の悲しい歴史を持っています。今ですら表には出ませんが、差別の対象に今も昔もなっています。
 それに関しては僕の理解や想像をはるかに超えるものであることには間違いありません。そんな歴史を持つ彼が差別用語に対して毅然とした対応をしたことに遅れながら感動すら覚えました。
 ボートは村に着き、僕は乗せてもらった当然のお返しとして、タンクに入ったガソリンを傍に止めてある車まで運ぶのを手伝いました。握手をして別れる時に彼は僕にお辞儀をしました。
 もちろん彼らにお辞儀の習慣はないですし、カナダに来て何人もの人に日本人の習慣の真似としてお辞儀をされた事がありましたが、正直あんなに気持ちのこもった綺麗なお辞儀を見たことはありませんでした。
 綺麗というのは頭を下げる角度やタイミングという意味ではなく、単に仁王立ちの姿勢から頭をペコッと下げた程度ですが、僕の目を見て、そしてしっかりと。
 ゾクッとしました。
 本来ならば乗せてもらった僕がお辞儀する立場なのに、逆にされて、それがあまりにもきれいだったので。
 僕は日本では空手をやっていたのでお辞儀をすること、つまり礼に対しては人よりは、なんたるかを心得ていたつもりですが、僕のお辞儀は本当のお辞儀ではありませんでした。
 僕は外国人に、しかもお辞儀をする事がない人に本当のお辞儀を教えてもらった気分です。
 生活形態は着実に西洋化しているファーストネーションですが、心の中で受け継がれているものは、短い滞在でしたが少しは感じる事ができたと確信しています。

 バンクーバーへ帰る日、島から一日2往復しかしないウォータータクシー内で偶然にもジョージと会いました。
 彼は街へ仕事に何日か行くと言っていました。乗ってすぐに料金を払い、その後しばらくしてジョージの存在に気付いたので席を移りました。席を移ったといっても小さなウォータータクシー内なので高が知れています。
 なのに、切符切りのおっさんが僕の顔を見て、「切符代を払え。」と言ってくるではありませんか。僕はほんの数分前にそのおっさんに確かにお金を払ったのに、真顔で「いや、もらってない。早く払え。」としつこく言ってきます。
 僕を挟み隣にはジョージが座っているのに何一つ、そのおっさんには言ってくれません。
 払った、もらってないの問答を繰り返すうちに、僕の素晴らしい島での体験が崩れようとしたその時に僕を挟んだ2人はププッと笑い始めました。
 はい、しっかり彼らのいたずらにはめられたようです。 
 ジョージのジョークも洒落にならないな、という日本風のオヤジギャグの1つでもかましておけば良かったと今では思います。

 なんだか長くなりましたが、まだまだAKIRAさんには伝えたい事があります。また違うファーストネーションの暮らしを見る機会があったら報告したいと思います。
 現在、就労ビザを申請前なので時間があることから近くにある大学のアジアンライブラリーにある日本の本を読んでいます。
 なぜだか、名前しか知らなかった遠藤周作氏の本にはまっています。彼の本はその図書館には沢山収蔵されています。
 その中の1つに彼の死後に発刊された追悼本があり、それには彼は親の勧める医学部を受けず、文学部に進んだことで家を勘当され、大学の寮に入り、その寮の行事で御殿場にあったハンセン病患者の療養所へ慰問に行き野球を一緒にしたことが書いてあります。
 その時に患者さんにプレー中タッチされそうになって怯えてしまい、その人から静かな声で「お行きなさい。」と言われた事が後年まで最も嫌な自分として心に刻まれたそうです。
 それを読んだ時、僕はAKIRAさんが,いつか日記で書いていた「盲目のアーティストから投銭を盗んだ時から自分は善人とは思っていない。」という言葉がフラッシュバックしました。
 僕の勝手な判断ですが、そのことはAKIRAさんにとっては忘れる事ができない自分の嫌な部分として残っている、と感じたので。勝手な判断で申し訳ありません。
 でも人は誰しも自分の中で忘れる事ができない、自分にとって嫌なことがあるのかもしれませんね。僕は、沢山あります。 

 最後に、先月カナダにチベット密教のトップのダライ・ラマ氏が来ていました。
 連日ニュースで取り上げられ、彼も講演のチケットは随分前にSOLDOUTでした。
 僕は一目だけでも見たいと思い、会場の入り待ちをしました。そこにはチケットを持っていない僕と同じような人たちが30人ほどいました。
 彼の車が現れ、頑強なSPに囲まれた彼は入り口のすぐ近くに止められたにも関わらず、我らが入り待ちの群集へと歩み寄ってきてくれ、何人かと握手したりしてくれました。
 僕は興奮を抑え、デジカメで懸命に彼をとらえました。

 その最中、僕の彼女はちゃっかりと群集の中を掻き分け,何と彼と握手をしました。
 握手した全ての人が感動で泣いていました。何万人と入った会場ではお金を払った方たちも握手はしていないにも関わらず、涙している人が沢山いた。とニュースで伝えていました。

 同じ時期にインドのダラムサラへいった友だちからは「ダライラマは今カナダに行っていて会えなかった」と報告があった。地球規模の報告が双方からオレのステーションに届くというシンクロはおもしろい。
 マサが野次馬根性で撮った写真にオレは涙ぐんだね。
 ダライラマの頭頂のチャクラが噴火寸前に盛りあがっているからではない(深い笑)。
 白いマフラーの女性(左)は、マサの彼女じゃなく(文面からすると)チケットを買えなかった人のひとりだろう。無名だろうが有名だろうが、ダライラマはすべての命に、
 手を合わせ、
 頭を下げ、
 微笑みかける。
 握手だけで人を泣かせるってのはすごいね。
 強力な握力で手骨を折るか、剣山でも忍ばせていないとできない。
 どんどん異体験(=痛い拳。または広島弁で、「痛いけん」)しとかないと、
 Life is very short じゃけん。
 わしはいつも、今ここにいたいけんのう

27 may(thu)
26 spectral moon

 「アヤワスカ!」を書いてから、いろいろな質問メールがくる。
 なかでも多いのが、「日本でもアヤワスカのセッションが受けられますか?」という質問だ。
 新しい小説に集中しているので、
ぜんぶのメールには答えられないのが現状だ。(ごめんね)
 代表的なHさんのメールを抜粋して答える。

 私もぜひ日本で秘密に開催されるアヤワスカセッションに参加してみたいのですがどうしたら
情報が入手できるのでしょうか?
 お答えくださいますようお願いいたします。

 日本では関西を中心によくサントダイミのセッションがおこなわれています。
 僕のほうにも情報は入ってきません。
 自分もきっかけは日本でのセッションですが、やはり直接アマゾンに行くことをおすすめします。

 「アヤワスカ!」を読ませていただきました。日本でのセッションをきっかけにアヤワスカの秘密を解きにアキラさんはペ ルーにむかったのでしょうが、なかなか借金をしてまでいけないのが現状です。
 日本のセッションには意味がないのでしょうか?
 現在もどこかで行われている日本でのセッションというのは意味はあるんでしょうか?
 違いはなんでしょうかお聞かせいただければ幸いです。

 結論から言うと、
 あなたのおこなった行動のすべてに意味はある。
 助言を求めるのはいいことだ。Hさんは正しい。
 「アヤワスカ!」書いた文責もあるし、今までせいいっぱいアドバイスしてきたつもりだ。
 ただ自分の行動(生きている意味)を他人にゆだねてはいけない。(とくに無責任なオレには)
 アマゾンと日本のセッションのちがいは明白だ。
 アマゾンでは1000人の仲間(6月と12月の祭)、祝福してくれるジャングルの木々、それらにやどる精霊たち、借金してまで地球の裏側にやってきたという本人の努力もあるだろう。旅を支えてきた無数の笑顔が守ってくれるのだ。
 それにくらべて日本でのセッションは敵陣にひとり飛びこむようなものだ。
 まだアヤワスカは合法だが、強烈なトランスで誰かがパニックに陥るかもしれない。ひとりのパニックが感染してあなたがバッドトリップにはいる可能性もある。そして会場から飛びだせば、精神錯乱者として逮捕される。
 オレもきっかけは日本でのセッションだし、サント・ダイミーの日本支部もいつかつくってほしいし、地道にアヤワスカをひろげる人たちを邪魔したくはない。
 もし日本ではじめてのセッションを受けるなら、いくつかのアドバイスをしておこう。

 1 あくまで自分の意志で行動を選び取ること。
 2 鬱や落ちこんだ状態でしないこと。
 3 誰かがパニックになったときは、救ってくれるシャーマンの歌に集中すること。
 4 自我にすがりつかず、流れに身をまかせること。
 5 試練にさえ、感謝する視点の移動を自由にすること。
 6 どんなに強烈なトランスも約6時間後には確実に終わるのを知ること。

 数日まえから肉食や飲酒、セックスはさけ、心の準備をしておくことも前段階としていいだろう。
 そしてセッションが最悪の結果に終わろうとも、「わたしは地獄をくぐった」などと自慢しないこと。心の旅を他人に語らず、自分のなかで発酵させる。
 すべてを自分自身で選び取ることだ。
 まちがっていい。
 自分をまちがわせた痛みが、
 自分をまた在るべき場所へ連れもどしてくれる力になるんだから。
 「まちがいという敵」こそが、
 「自分を成長させてくれる恩師」なんだ。
 うわー、最近悩み相談のメールがどどっと増えたせいか、
 「絶叫マシン」ならぬ「説教魔神」になってるなあ。

 似合わねえー!

28 may(fri)
27 spectral moon

 ついにノックダウン!
 腰が痛いのは長時間同じ姿勢をとりすぎたのと運動不足である。腰の筋肉が硬くなって筋力が衰え、血行も悪くなったのだ。
 よし、1年以上やめていたジョギングと壁打ちテニスを再開するか。
 走り出したとたん、異常に気づいた。一足ごとに微痛が起こり、ふつうに走れないのだ。だましだまし、壁打ちコートについた。
 コートといっても、車の通らなくなったアスファルト道路なんだけど。うえを走る道路の壁にボールをぶつけるのだ。壁にはオレが勝手にスプレーで描いたネットの線がある。
 まずは軽く2メートルくらいの距離からはじめた。
 やがて3メートル、
 4メートルのあたりで激しい応酬がくりかえされる。
 バックハンドを振り抜いた瞬間、激痛が走り、アスファルトに崩れた。
 あたたた……、腰が抜けたように立てない。
 これが噂のぎっくり腰か。
 つまり腰の捻挫である。
 バンテリンもまったく効かない。ベッドから起きあがれないのだ。激痛に絶えて起きあがると、座れない。
 この文章も冷や汗だらだらで、あひっとか、ぎええーと
悶絶しながら書いている。
 今まで体力にまかせてむりをしたんで、神様が休めと言ってるのかもしれない。
 じゃあこのへんで失礼ぎえええー、します。

28 may(fri)
27 spectral moon

 たくさんのお見舞いメールありがとう。返事かけないので、ここでお礼します。
 タケちゃんの知り合いの接骨院にいってきた。家族経営で朝の5時から夜中までやっているという。老人のたまり場みたい雰囲気で昭和の人情ドラマになりそうだ。電気マッサージのあと、体を丸めて腰を押され、悲鳴をかみ殺して耐えた。「だいじょうぶですか?」と訊かれたので、「だいじょうぶです」と涙目で答えた。
 ゴムバンドをつけて、ふらふらと歩いて帰った。
 健康なときには気づかないが、痛みもなくベッドから起きあがれたり、背筋を伸ばして歩けたり、くしゃみに飛び上がったりしないのは、なんて幸福なことだろう。
 健康を当然の権利としてもらっていたオレは、なんて傲慢だったんだろう。
 腰の曲がった老婆や車いすの人がオリンピック代表のスーパースターに見えてくる。
 若葉の緑や花の美しさが目に沁み、世界がちがって見える。
 そんな痛みに耐えながら昨日はタケちゃんと1曲録音し終えた。
 生きてるだけでじゅうぶん幸せだな。

「リストカッター」

どうしようもなく自分が嫌い
だからこのまま消えてしまいたい
なんとなくみんなが恐い
だからこのままそっとしておいて
大人にもまだなれなくて
子どもにもかえれない
生きてるの? もう死んでるの?
それすらわからない
青いカミソリ 白い手首に
赤い血が走る
生きてる わたし生きてる
悲しいくらいに生きてる

たえがたく自分は醜い
だから愛する資格なんかない
やるせなくあなたが恋しい
だからこのままいてもいいですか
幸せにもまだなれなくて
不幸にもなりきれない
生きてるの? もう死んでるの?
それすらわからない
青いカミソリ 白い手首に
赤い血が走る
生きてる わたし生きてる
淋しいくらいに生きてる

わすれがたく空は澄んで
だからいつかは還ってゆける
かえがたく世界は在って
だけどいつかは笑ってくれる
ふつうにもまだなれなくて
狂うこともできない
生きてるの? もう死んでるの?
それすらわからない
青いカミソリ 白い手首に
赤い血が走る
生きてる わたし生きてる
愛しいくらいに

青いカミソリ 白い手首に
赤い血が走る
生きてる わたし生きてる
愛しいくらいに

29 may(sat)
28 spectral moon

 あまりの激痛に一睡もできなかった。
 仰向きでも眠れないし、寝返りも打てない。あらゆる動作のたびに悲鳴をあげる。接骨院にいったのに痛みが倍増していた。
 生まれてこのかた、こんな痛みは経験したことがない。
 徹底的にネットを検索し、「門前仲町関節整体」というところを見つける。
  「たいていの方は一回で施術が終了する事が可能」
 ええっ、この地獄の痛みがたった1回で治るのか?
 そこでやってる「AKA療法」についても調べた。Arthro Kinematic Approach(関節運動学的アプローチ)の頭文字をとってAKA(エイ ケイ エイ)と呼ばれている。1970年代にアメリカのM・A・マッコーネルが提唱した「関節運動学」をベースに日本の博田節夫医学博士が開発した療法だ。膜にくるまれた関節の滑りをよくすることによって痛みを取り除く療法だ。
 「AKA療法」にくわえてこのクリニックでは「超特殊骨盤矯正」というのを同時におこなう。「他に類を見ない独特の方法により、ねじれた骨盤を正常な位置に戻します。
 なんだか「超」がついているところが怪しい。
 「最近、骨盤のゆがみを治すということでTV等に紹介されている技術は、腰椎の矯正で骨盤の矯正ではありませんので骨盤のゆがみを治す事は出来ません。また、自分で運動する事によって骨盤のねじれが治る事もありません」
 「当院の技術は、ゆがんだ骨盤を瞬時に正常な位置に戻す技術なので痛みが激減します」
 「カイロプラクティックには、ぎっくり腰の痛みを除去する技術は無いようです」
 「おそらく都内でも数えるほどの人数しか、ぎっくり腰の痛みの除去をする技術を持った人はいないはずです」
 どお、この自信。ますますはったり臭いだろ。
 43歳の院長は、柔道2段で、医学部もでていないし、日本AKA専門医でもない。
 しかし瀕死の獣の直感は「GOサイン」をだした。
 ぎゃあぎゃあ叫びながら電車に乗り、2時間半後にクリニックにたどりついたときには、待合室のイスに座ることもできない状態だった。
 入口の壁にもたれてやっと立っているオレの姿を見た先生は言った。
「こりゃあそうとうの重症だ。よく電車にのれましたね」
 3人の患者を飛ばして緊急処置をしてくれた。ベッドに仰向きに寝られないので横向きで施術する。なるべく痛みの少ないように足をもち、曲げ、ひっぱる。きのうの接骨院とはまったくちがい、最小の力でなるべく痛みを感じることなく関節の動きを改善させる方法だ。
「きのうはどんな治療を受けました?」
「電気マッサージと温湿布、体を丸めて骨盤を押されました」
「ぜんぶぎっくり腰の直後にいちばんやっちゃいけないことですね。整体やカイロや接骨医の90パーセントは骨盤について理解していません。むりな治療によってひどい炎症を起こしています」
 氷枕を背中に当てられ、そのあいだに先生はオレより先にきていた患者に施術した。
 ふたたびオレの骨盤を矯正する。肩こりや背中の痛み、足のしびれや頭痛まで骨盤のゆがみが原因だという。オレの骨盤は前後に3センチずつねじれ、骨盤の中心である仙腸関節と腰骨や背骨とのあいだに炎症をおこし、それが激痛の原因になっているという。
 奇跡が起こった。
 わずか30分の治療後にベッドに仰向けになることができた。恐る恐る立ちあがる。「おおっ、立った、立った、クララが片足で三河包丁のうえに」。歩ける、イスに座ることもできるぞ。さっきまではしゃがむことはおろか、靴下もはけなかったのに。もう通院しなくても3日くらい安静にしていれば勝手に治るという。
 まさかぎっくり腰が1回で治るとは。理屈はともかく、症状が劇的に改善されたのは事実だ。AKA療法だけではぎっくり腰は治らず、先生が知るかぎり、骨盤を本当に矯正できるのは日本でも数人しかいないという。
「ありがとう柔道先生。疑がってごめんねえ」
 涙をすりつけながら抱きしめたかったが、たった5000円の治療費を払って小さな町の達人をあとにした。

30 may(sun)
1 crystal moon

 骨盤から生命力がちびちびと湧きだしてくるのを感じる。
 朝は寝返りがうてなかったのに、昼寝のときにはできるようになった。まだ靴下ははけないが、3日ぶりにシャワーを浴びる。あと2日は安静にしていなければならないのに、うずうずしてくる。
 妹がきてくれたついでに椅子を買いにいく。
 宇宙からの知性「バシャール」はこう言った。
 「椅子も神、部屋も神、すべてが神です」
 人は人生の3分の1(1日8時間)をベッドで、デスクワーカーや作家は3分の1を椅子のうえですごす。とくにのっているときの作家は3分の2(1日16時間)座りっぱなしということもめずらしくない。
 門前仲町関節整体の名医「骨盤先生」の指摘によると、オレのぎっくり腰の原因は椅子にあるという。
 オレの書斎は天井に青空の壁紙が貼ってあり、床は人工芝、オモチャの動物やトカゲが壁にはりつき、「ジャングルの間」と呼ばれている。ベトナム戦線で使われた米軍のコンパクト机に合わせて、カーキ色のディレクターズチェアをつかっていた。キャンプなどにもっていく折り畳み式の安物だ。オレは映画監督が深々と腰かけるチェアに浅く腰かけ、前のめりになって何年も文章を書いていた。布地の座面はヨットのように不安定だし、背にもたれることもない。
 人間の背骨は本来S字カーブを描くはずなのに、C字カーブを長時間つづけると背骨と骨盤に過剰な負荷がかかる。データによると、「体重70kgの人の第3腰椎にかかる重力は、立っている時で100kg、椅子に腰掛けた時で130kgの負担がかかる」という。
 体力にまかせて書きつづけ、こんな悪条件で今までぎっくり腰にならなかったほうがむしろ不思議だろう。
 人間工学(エルゴノミクス)に基づいた椅子は日々進化している。NY近代美術館に飾られた「アーロンチェア」、イタリア・ジウジアーロの
コンテッサ」、スイスの最新技術「エモーションシリーズ」など美と機能性が見事に融合した名品がならぶ。
 これらの高嶺の花はベストセラーがでたときの楽しみにとっておいて、3800円のパソコンチェアを買った。1900円の折りたたみチェアよりぜんぜんいいぞ。高さの調節は空気圧ポンプだし、ひじあての高さも変えられる。キャスターで本をとりにゆけるし、なにより安定している。
 イタリアのことわざで、「椅子と女房は見た目
じゃなく、座り心地で選べ」というのがある。
 夢を職業とする者にとって椅子は、
 子守歌を紡ぎだす揺りかごなのだ。

31 may(mon)
2 crystal moon

 急激なる回復。
 もうスキップだってできるし、アルプス一万尺だって踊れる。うしろ回し蹴りはまだ痛いが、洗濯までしちゃった。
 昨日ちょろっとでてきた「バシャール」について質問などがあったので、少し書いておこう。
 80年代に出版された「BASHAR―宇宙存在バシャールからのメッセージ 」はアメリカでベストセラーになり、ニューエージのバイブルとも呼ばれた。
 1983年ダリル・アンカは、チャネラーになるためのワークショップを受けているときにバシャールがコンタクトしてきて、前世で約束した「チャネラーになる」ということを思い出させられる。
 バシャール(BASHAR)というのは、アラブ語で「メッセンジャー」という意味がある。バシャールは、オリオン星に近い惑星エササニの宇宙船操縦士であり、人類を破滅から創造へ転換させるメッセージを送りつづける役割だという。
 ニューエージアレルギーのオレとしては、「エササニの宇宙船操縦士」だろうが、「小さな宇宙人アミ」だろうが、
プレアデス+かく語りき」だろうが、どうだっていいの。
 宗教が神を それぞれの名で呼んでいるように、勝手に名づけているだけで、根本はいっしょだと思う。
 問題はメッセージの内容だ。べつに聞いたこともない「エササニの宇宙船操縦士」が言うから納得するんじゃなくて、近所のじじいが言っても同じことだ。それが普遍的なものか、終末感をあおるだけのものなのか、直感で判断するしかない。
 
 今生きているところに生きる、ということから始めてください。
 現在に生きることです。これは大切なことです。
 過去や未来に生きようとすると、今必要な情報を見つけようと思っても、今現在、ここにいないということになりますので、手に入りません。

 わかりやすいよな。ニューエージの落とし穴は、現実逃避だ。現実に対応できないと、円盤や宇宙人にすべてをゆだねてしまうが、バシャールはなかなかまっとうなことを言っている。

 宇宙は無意味なことはしません。宇宙をそのまま信頼してあげて、今の生活をそのまま続けていれば、この生活に必要なものはすべて、必要なときに知ることができます。
 一瞬後に情報が来るときもありますが、必要な時、まさにまさにそのときに答えが来ます。
情報が来る時は本当に必要なその時にやってくるのです。
タイミングは完璧にできています。
それを早くすることができないということではありません。でも、必要なものが、早く来るようにする方法は、今現在に生きることです。

 いーねっ! バシャールは、最高の出会いも、最悪の出会いも、完全肯定する。

 同じ魂の延長であるということが、ソウルメイトということです。
 ソウルメイトというのは、自分の人生の適切な時に出会います。
 自分が見る必要がある時に、見る必要のあるものを反映して見せてくれる人がソウルメイトです。
 そういう意味では、あなたが交流をもつすべての人がソウルメイトであるということができます。
つまり、あなたの人生の中で現れる人はすべて偶然ではなく現れるのです。

 上司に叱られ、友だちに裏切られ、好きな人にふられ、それでもバシャールは「現実を肯定せよ」という。
 ふふふ、オレのぎっくり腰も偶然ではないのだな。

 ワクワクする気持ちとは、肉体を通して翻訳されて伝わる言葉、メッセージなんです。
 皆さんはこの物理的な体を持った世界に住んでいるんです。だから一日中座ってイメージの中でいろいろやってワクワクすることはかまいませんが、何も起こりません。
 ワクワクしたことを行動に起こすことを、悪いと思っている人がいます。
 なぜならば社会がみんな好きなことをやってはいけないんだというからです。
 もしワクワクする気持ちがあなた自身のものでないとしたら、そんなことはおきません。宇宙の機構に信頼を持ってください。あなたがそれを受け入れれば必ず起きます。

 オレ、「ワクワク教」信者。
 教祖と信者、オレ1
名のみの。

 否定的なことを信じていれば、否定的な結果を得ます。肯定的なことを信じていれば、肯定的な結果を得ます。宇宙は皆さんがどちらを信じていてもあまり気にしていません。「無限の創造」は皆さんを無条件に愛しています。無限の創造は皆さんが永遠のものだということを知っています。ですからその瞬間に、皆さんが否定的なものを選んでも肯定的なものを選んでも、宇宙は喜んでそれをあなたにさせてくれます。それによって、次はどっちを選ぶかを学ばせてくれます。

 オレは「ワクワク教」だけを信じて行動してきたんで、よおくわかるなあ。

 他人を変えようと思っても、他の人は変えられないということです。そして自分のまわりの世界を変えるための一番簡単な方法は、自分を変えることです。

 これ、けっこうツボ。
 バシャールには悪いけど、オレは「エササニの宇宙船操縦士」なんて信じてないよ。チャネラーであるダリルは、なんで「内なる声」を「外部からのメッセージ」と思いこむのかな?
 そりゃあ、「内なる声」よっか神に近い未来人を設定したほうが説得力はますだろう。
 イエス、マホメット、ブッダ、神だろうが、宇宙人だろうが、「エササニの宇宙船操縦士」だろうが、そんなレッテルぜんぶひっぺがして、くしゃくしゃに丸めて、月曜と木曜日の燃えるゴミにだしちまえ。(日光稲荷町の回収日)
 誰もが日々1秒ごとに、バシャールの声を聞いている。