ONSENS 蔵王ライブ 感想集

★2006年8月13日(日)蔵王ライブ ロックオペラ「BRAVE HEART」
 えずこホール 地図 (列車だと東京駅から白石蔵王駅まで2時間。白石駅から大河原駅まで15分。大河原駅からバスで5分。徒歩15分(2キロ)。
 18:30開場 19:00開演 入場2000円


「Brave heart」NEARIKA by Sino
AKIRAのブログ
★ 5/15 チーム蔵王がやってきた
★ 7/19 蔵王オペラの脚本完成
★ 8/12 蔵王ライブレポート1
★ 8/14 蔵王ライブレポート2
さとし
AKIRAさんのライブをみたのは、これで3回目なのですが、いまま でで一番のめり込んでしまいました。
舞台が暗くなって弥生さんの半生の静かな語りがはじまり、だんだんと その世界に引き込まれていきました。
弥生さんの語りに答えるかのようにONSENSの演奏がはじまり、語 りの間に入る歌もばっちり合ってたせいか、感動も尚更深く感じました。
それとわたしの好きな詩で 「父よ 永遠に追いつけぬ孤独な背中よ」
という一節があるのですが、この一節だけで父に対する思いがじーんと 伝わってきて感動してしまいました。今回のライブでは、その歌も聴け たので嬉しかったです。
弥生さんの語りの声と存在感もとても良かったです。弥生さんの存在感 と静かな語りとONSENSのパワフルな演奏、両者が互いを際立たせ てる・・うまく言い表せないのですが、そこが一番惹かれました。
ONSENSに新しく加わったリエさんのパーカッションとヤオさんのドラム の演奏もうまくて、ONSENS、さらにかっこよくなったなと思いま した。
 それと弥生さんの語りのちょっとした静寂の中、へきれきのようには じまるAKIRAさんの迫力のあるボーカルを聴いて驚きました。以前 に聴いたライブよりも声がとても力強くなっいて、とても聴きごたえが ありました。
ONSENSと弥生さんが作り出したドラマチックなライブに行けて本当に ラッキーでした。生涯忘れられないライブになると思います。
とし
としのミクシ日記より転載

ロックオペラ「BRAVE HEART」
蔵王でおこなわれた、オンセンズ初の試み
ロックオペラ「BRAVE HEART」ヘ行ってきた。
これはやよいちゃんという女性のこれまでの歩みを
アキラさんが物語りにアレンジして、
オンセンズの音楽と語りで構成されている。
俺は特別な思いでここにきた。
彼女と4年前、俺がインドを旅をしていた時
バナラシというインドの聖地で出会っていたのだ。
なぜかその時のあだ名は課長。
3週間ぐらい滞在していて、一緒にガンガーが見える
レストランで飯を食べたりと元気な頃を知っていた。
その後もメールをしていて火付け盗賊という
ファイヤーダンスのグループで活動している事も知った。
だんだんとメールもしなくなり、最近は音沙汰がなく
元気にやっているものだとばかりに思っていた。
ある日、ミクシーでポイのこと調べてたら
やよいちゃんがいる事知って、
そして自殺未遂をして体中の筋肉が解けてしまい
車椅子生活を送っている事を知った。
たまたまコミュニティーをみたらオンセンズと
繋がっていて、今回のライブの主催者である事を
知り、必ず行こうと思っていたのだ。 オペラは本当に感動した。
はじめはみんなどうしていいかわからず一曲一曲
終わるたびに拍手をしていたが、
だんだんと物語の世界へ引き込まれくいるように
なんともいえぬ空間だった。
今回は鈴木君が多忙のためこれなかたため
映像としても残らず、観客もそれほど集まらなかった。
この感動をより多くの人に伝えたいと瞬間に思った。
東京講演!!
どうなるかわからないけど主催しようと思うので
その時はみんなに足を運んでもらいたいなと。 終了後、やよいちゃんにかけよる。
かちょー!!
こうして再会できた事が、うれしかった。 恒例の打ち上げ。宿に戻って遅くまでみんなと宴会。
観客にもたくさんの心や体に傷を負ったBRAVE HEARTが
集まっていたので、あらためてたくさんの勇気をもらった。
朝、それぞれの日常に戻ったり、新たな旅先へ出発。
アイヌモシリへ流れる人が多かったので再会を誓う。
この初のロックオペラ「BRAVE HEART」に立ちあえてよかった。
オンセンズメンバー、蔵王主催者メンバー、あの場を共有した
観客のみんなに心からありがとう!!
ako
akoってやつは、ちっっぽけでどーしょもなくて、
みんなみたいになにかを伝えるすべも無く、技も無いし
美しいとは御世辞にも言えないし、ほんとにただ、ただのakoで、ただただ、ただのアタシで、
でも、こんなどーしょもないちっぽけなakoがこんなにも世界とつながった夏はない。
きっかけをくれたのはAKIRAさんだった。
13日。蔵王で行われたAKIRAさん率いるonsensのロックオペラに参加するため、北海道から仙台へ飛んだ。
バスと電車を乗り継ぎ降り立った大河原駅は想像以上の田舎町で、会場までの30分の道のりをバックパックを背負い徒歩で向かう。迷わずに辿り着いたものの、それらしい人っ子は一人もいない・・・
「え〜ん、1番遠くからきて1番早く着いたとかだったら、けっこうはずかしいかも〜」なんて思いながら会場周辺を歩いていたら、なんとAKIRAさんの歌声が!!!かすかに・・・
ではなくハッキリと聴こえてくるではないのよ!!!
壁ごしに聴こえるリハーサルに耳を傾け、刻々と迫る期待に
胸を膨らませ、その時はきた!!!
サバカンのアフリカンドラムとダンスの前座に続いて
onsensのメンバーとやよいちゃんを乗せた車椅子を押しながらAKIRAさんが登場する。
onsensを生でみるのもAKIRAさんの歌を生で聴くのも始めてだし、オペラなんてみたこともないアタシには、どんなことが起こるのかなんて想像不可能だった。
やよいちゃんの詩の朗読とonsensの演奏とAKIRAさんの歌と見ているアタシたちが、ひとつになっていった。
オペラ仕立ての物語を客観的に鑑賞しているという感じではなく、まさにその話の中に存在しているような感覚だった。
やよいちゃんは薬を過剰摂取し、全身の筋肉が溶けて
しまい車椅子で生活している。それでも半生を描いた詩の後半「思い通りにならないからこそ、人生は  愚かしく
  愛しい」と言ったあの顔がアタシは忘れられない。
昔、戦争で沖縄の農民は貧しく刀など持ってはいなく、恥るまえに、家族の首を子供から順番に鎌できって死んでいったという。
そこで「ぬちどう宝」(命は宝)が入る。
アタシは20歳の時、自分の首をかみそりできって
死のうとしたことがあった。
当時3歳の息子は目の前で全てを見ていた。
時代劇のように血はしぶきをあげて息子に浴びせた。
錯乱状態だったのであまり覚えていないけど、外に飛び出して血まみれで道路に倒れこんでしまい、殺人事件と誤解され
やじうまと機動隊がやってきて倒れるアタシを取り囲んでいた。意識が薄れていくその時、目に映った空の青さに感動したまま意識を失った。
あれから5年が経ち、アタシはまたあの日を彩らせていた。
ぬちどう宝
ぬちどう宝
あああ 空がなくさ
過去の忌まわしい体験も、忘れたいほどの嫌だったこと
痛かったこと辛かったこと・・・その全てどの経験や出会い・・・なにひとつとして欠けていては、「今」のakoは
存在しない。
「今」が輝けば、過去の全てを物質的には変えられなくても
意識の中で変えられるんだね。
「今」とてつもなく幸せなのは、そこからきているのだね。
自分自身がそこに気づけたら、世界は変わる。
アタシは、蔵王で過去を受け入れることができた。
そしてとんでもないものを見てきた。
ライブ終了後、みんなで片付けをして
打ち上げへ。
メンバーもやよいちゃんもお客さんもみーんなで飲んで歌って
そのままみんなで同じ宿に泊まる。
こんなに楽しいライブは無いでしょう。
始めてあった人や、近所に住んでいるみかさんなんて
近所でばったり合ったことなんてないのに、蔵王で再会でき
ちゃうし、akiraさんに集まってくる人たちはみんな家族のようだった。いや、きっと家族だったに違いない。
翌日、宿をでてそれぞれがまた出会うためにお別れし
次の旅へと散っていく。
仙台駅まで一緒だったのはAKIRAさんみかさんとしさんひでさんとあたしの5人だ。
仙台といえば、牛タンを食べなきゃね。
5人がそれぞれ別なものを頼んで、まわして食べる。
色んな味が楽しめるし、所有するもんなんてないんだよね!!
おいしさも楽しさもありとあらゆる知恵は分け合わないとね
!!大昔、狩をして暮らしていたあたしたちの先祖は
そうやって皆で分け合い生きていたんだもんね!
「今」を生きてるって!!!
人生はすばらしい!!!!!!!!!!
翌々日にまた北海道で合うことを約束した。
アイヌモシリで人間の大地で!!!
Yoshie
蔵王ライブありがとうございました。
いつもパワー全開ですね。
会場入口のネアリカ
受付で左腕に結ばれた赤い糸
アフリカンドラムの音
オペラの始まり
やよいさんの落ち着いたナビゲート
ひとりの女性の物語を縦糸にしながら、AKIRAさんの歌が横糸になって、つぎつぎと豊かな情景が織りこまれていく。
歌の中にある『生』が、命という輝きを放つ。
いつの間にか出産の時のこととか思い出していた。
縦糸は、私でもあり、今ここにいるひとりひとりでもある…そんな気がした。
想いが形になるってすごいね。たし算じゃないって実感した。
この場を共有できてよかった。
この場を創りだしてくれた皆に、ありがとうです。
たまみ
明さんに蔵王で、会えてとっても、うれしかったです。
そして、あのライブに立ち会えたことに感動し、
自分が生きる上での無数の選択肢の中から、あの場にいることを選んだことを、誇りに思っています。
今、職場のメンバーで、PTAのお祭りに向けてバンド組んでるんだよ。
「命どぅ宝」と、「なんくるないさ」も、やるんだよ。歌の上手な人がボーカルだけど、一曲力一杯歌うと、息切れしてるよ。
明さんや、たけちゃん、オンセンズのパワーのすごさを改めて感じる毎日。とっても、楽しいよ。
最近は、蔵王ライブで買った、SPACE EDGEのDVDと、「HIROSHIMA NIGHT FEVER]に、はまってるよ。それじゃ、明さん、またね。
はなび
蔵王ではみなさんの想いを身体に刻んでくれてありがとうございました。
己の足先に血が巡ってピンク色になってたことに驚いちゃってみなさんにお礼を言い忘れてたみたい(詫び恥)
分けてもらったみなさんからの魂のかけらを私の明るい未来の肥やしとし最低100まで生きると設定しました。
願いは届く!願えば叶う!
                  インラケチ
冬姫
蔵王ライブ、お世話になりました!
すごく楽しい時間をありがとうございました。
帰りは同室だった直子ちゃんを福島駅まで送ったのですが、
ホームで別れる時に涙が出そうになりました。
本当に短い時間なのに、人見知りするのに、こんなにも深く人に接する事が出来るんだ、と新鮮な気持ちになりました。
これってすごく幸せ、なんですね。
裏方仕事も楽しかったなぁ。また、売り子したいです。
あの場所で、生きて巡り会えて、本当に良かった。
不思議で素敵な出会いをありがとう。
そしてこれからもよろしくね!
リュウ

リュウのブログ「事の端」日記より転載。

なんだかとても疲れた。
ライブのあと、打ち上げもそこそこに寝てしまい、目覚めればもうチェックアウトの時間。
帰りの車でもタケちゃんが運転する隣でぐうぐう。
よろよろ沼田に帰ってきて、ビール飲んでバタンキューで8時間以上もすやすや。
今までの疲れもあったのかもしれないけど、別の理由があるような気がする。
ライブが、あの空間が、濃密過ぎたんじゃなかろうか、と。
宮城県大河原町にある「えずこホール」。
小ホールではあるけど、広さも高さもかなりのもの。
おまけに天井にぶら下がる無数の照明のさらに上には、ホールのシンボルマーク、真っ赤なぐるぐる渦巻きが奥に奥に続いている。
サバカンのアフリカンドラム。
やよいちゃん の紡ぐ言葉。
自らの痛みを自ら紡ぐ。
会うまで悲しい人だと思ってた。
薬物による自殺未遂の副作用で全身の筋肉が溶けてしまい、車椅子生活を送ってるなんて聴けばそう思う。
思い込みというのは恐ろしくも馬鹿馬鹿しいということを、会ってみて改めて実感した。
しおらしいレッテルなんて笑い飛ばすくらい明るい人だった。
もちろん彼女は、彼女だけの悲しみを抱いているのだろうけど、悲しみだけじゃなかった。
ステージに上がる直前、舞台の袖でじっと佇むやよいちゃんに、緊張してる?と訊いたときの彼女の返事が忘れられない。
「緊張はしてる、けど、この緊張は嫌いじゃない。」
彼女がPTSDだろうが、パニック症候群だろうが、関係ないと思った。
彼女が言う「嫌いじゃない緊張」を、たぶん同じように共感してたんだから。
舞台の袖で、舞台の上で。
今回、ONSENSはいつにもましてハードスケジュールだった。
ヤオさんはダチャンボ、アースコンシャス、と続いてのライブで3日の睡眠2時間。
リエちゃんもアースコンシャスから不眠の移動。
タケちゃんはデザインの納期に追われながら朝イチからひとりでPA。
アキラさんもなんだか知らんけど忙しかったらしい。
火事場のクソ力って、やっぱあるんだねえ。

やよい


初めて生で聞くONSENSのライブはすごく感激しました。
演奏もすごいし、なによりもアキラさんの声の力強さには圧倒されました。
本番中、緊張していてゆっくり聞くことはできませんでしたが、お客さんたちがアキラさんの歌声にドンドン引き込まれていくのはしっかり見えました。
これだけ人を惹きつけられるなんて、やっぱアキラさんは只者じゃないw
前に入院していた人に言われました。
その人の人柄を見るにはその人に集まってくる人達を見ればいい、と。
その通りだと思います。
打ち上げに来た人達と話しましたが
みんな優しくて、心の中に強い芯をもっていていい人たちばかりでした。
ONSENSのメンバーもそうです。
アキラさん、たけちゃん、ヤオさん、りえちゃん、りゅうさん、みんな凄く親切にしてくれてうれしかったです。
りゅうさんはしゃべるタイミングを教えてくれたり、マイクのスイッチがちゃんと入っているか確認してくれたりライブ中にも色々親切にしてもらいました。
もうとにかく、みんなすごく優しくてすごくいいメンバーだなーと思いました。
みんなアキラさんの人柄に惹きつけられてきたんだなーって思いました。
アキラさんみたいな魅力的な人、会ったことないですよ!!
本当にありがとうございました。
元気いっぱい貰いました。
なんかやる気がたくさん出てきました。
本当ありがとう!

やよい

やっぱりね、アキラさんにはお礼言っても言い切れない!今回のライブを通して、アキラさんは大事なことを教えてくれた。アキラさんの最後のセリフ「命の踊りを」ってのが胸に響いた。そしてステージとお客さんが一緒になったときの一体感。私は幸せ者だ。
ファイアー


何かウソみたいに元気になりました。
ONSENSのライブが終わってから。やりたいことが次から次に湧いてくる(笑)
で、今日からネアリカ作り始めました。
サイズはF10で、カーラチャクラの真言をかいてます。
本当は曼荼羅かきたいけど、サイズがすごいことになりそうなので真言にしました。
アキラさんから元気もらって、アキラさんに教えてもらったネアリカして。
今年の夏はアキラさん一色だ!
やよい

何かウソみたいに元気になりました。
ONSENSのライブが終わってから。やりたいことが次から次に湧いてくる(笑)
で、今日からネアリカ作り始めました。
サイズはF10で、カーラチャクラの真言をかいてます。
本当は曼荼羅かきたいけど、サイズがすごいことになりそうなので真言にしました。
アキラさんから元気もらって、アキラさんに教えてもらったネアリカして。
今年の夏はアキラさん一色だ!
しの
蔵王ライブ主催者しのさんのブログより転載させていただきます。
★ ONSENS蔵王ライブもうひとつの脚本1

ONSENS蔵王ライブはいい雰囲気の中、最後は大盛り上がりで幕を閉じた。今回、ONSENSにとっては初挑戦のオペラライブ。アキラさんが蔵王ライブのために脚本を書き下ろした。そして、ライブは大好評を得て、東京でもオペラライブをやって欲しいというリクエストがアキラさんにきたそうだ。アキラさんは東京ライブもふまえて、自身のブログでライブの内容は詳しく書かないことにしている。そこで、ワタシもライブの詳細は書かないことにした。そのかわりといってはなんだが、ONSENSのオペラライブとは別に用意されていた裏舞台の脚本のことを書こうと思う。
オペラライブの主役は全身不随で車椅子生活をおくっているやよいちゃんだ。彼女が大量に薬を飲んで自殺をはかり、車椅子生活をおくるようになった生き様をフィクションを交えて物語りにしている。
アキラさんは「オレの影響で人が変わると思っちゃいない。だけど、この出会いが何かのきっかけになればいいと思っている。オレがやよいに出来ることは何かと考えた。それがオペラライブだ。オレは物書きだから、脚本を書こうと思ったんだ」電話でそう言っていた。
さて、ここからが裏舞台の開幕。
ONSENS蔵王ライブの1週間前、ワタシが所属しているアフリカンドラムチーム さばカンは地元で開催されるイベントに出演することになっていた。やよいちゃんにも来ないかと誘っていた。しかし、メンバーでC型肝炎を患っているりゅうじの体調が思わしくなかった。開催地が辺ぴなところにあり、運転手のりゅうじが最悪体調を悪くなったことも考えて、メンバーのイマイチに補助をやってもらおうと、車は1台でまとまって行くことになった。たいがい、やよいちゃんは宮城に来る時はイマイチの車に乗って移動をしていた。そのイマイチの車が使えないということは、やよいちゃんを連れて行くことはどう考えても無理であった。
イベント当日、やよいちゃんから電話があり、イベントは連れて行けなくなったことを伝えた。そして、やよいちゃんは精神不安定になり、自虐的になった。ONSENS蔵王ライブには出ないとメールをよこしてきた。それから、ライブまでの1週間はずっとやよいちゃんは精神不安定な状態にあった。蔵王ライブの2日前、電話でアキラさんから「やよいからライブには出ないとメールをもらった」と聞いたときは「やっぱり」と落胆した。しかし、同時に「彼女は必ず出る」という思いもあった。信じているという思いではなく、なんとなくそのような結末のシナリオが出来ているように感じたのだ。
しの
ONSENS蔵王ライブもうひとつの脚本2

蔵王ライブの前日、障害者の人たちのイベントがあり、アキラさんとさばカンで出演することになっていた。やよいちゃんも一緒に出演することになっていた。ワタシはやよいちゃんにスケジュールを書いたメールを送った。彼女からは何も返事はなかった。たいがいそういうときはOKであることが多い。大丈夫そうだなと思った。しかし、当日になって行かないとか言い出すかもしれないと、半信半疑な思いでいた。
そして障害者イベントの当日、イマイチに車椅子を押され、やよいちゃんがやって来た。アキラさんが満面の笑みをたたえ「元気そうじゃないか!」うれしそうに迎えた。
障害者イベントは障害者の人たちも一緒になってダンサーのげっちゃんと踊りまくり、ノリノリの大盛り上がりで終わった。
イベントが終わった夜ごろ、ONSENSのギターのタケちゃんがワタシの家に来ることになっていた。近所の公園では盆踊り大会をやっていた。軽快な太鼓の音色に乗って盆踊りの歌が聞こえてくる。家に帰り、アキラさんとさばカンメンバーで缶ビール、缶チューハイ、日本酒で宴会をやった。りゅうじが作った豚の角煮、地元で取れた枝豆などのつまみが宴会に花を添える。りゅうじはピッチを上げてアルコール類をグビグビ飲みつづけた。そして、タケちゃんが家にきたころには、完全に出来上がっていた。
タケちゃんは障害者イベントでもらったお弁当を食べて、サッポロ黒ラベル缶ビールを胃に流し込んだ。タケちゃんが落ち着いたころ、今回のために1ヶ月かけてワタシが製作した渾身の傑作ネアリカを披露した。皆、すごい!とかなりの評判だった。そのネアリカは蔵王ライブの入り口を飾ることになった。
ワタシはネアリカを部屋の隅に立てかけ、台所で皿洗いをしていた。やよいちゃんが車椅子生活をおくる前にポイをやっていたころの話をタケちゃんにしていた。やよいちゃんの隣でりゅうじが相槌を打って聞いているが、りゅうじの声がだんだんと荒げてきているようであった。なんだか雲行きが怪しそうなので、ワタシが「熱い話になってますね〜」と台所から横槍を入れた。だが、気づくとりゅうじがなにやら怒鳴っていた。そして、「寝る!」と言ってその場を立ち去ってしまった。ワタシは話の流れがまったく分からず、なんのことやら意味不明だった。やよいちゃんがタケちゃんの肩にもたれかかり、張り裂けんばかりの声を上げ、もの凄い勢いでワアワア泣いていた。タケちゃんはやよいちゃんの肩を「大丈夫、大丈夫」と撫でている。
ワタシは大音響で泣く姿にしばらく唖然としていたが、後ろからやよいちゃんを抱きしめた。落ち着かせようとenyaの曲をかけた。アキラさんのブログを見ていて、ONSENSライブでは必ずと言っていいほど、スタッフの感情が噴火するように溢れ出ると思っていたが、まさか今回の蔵王ライブでも起こるとは思わなかった。
すでに先に寝入ってしまったアキラさん、イマイチ、げっちゃんはやよいちゃんの大音響の泣き声にも、まったく起きる気配がない。「これは起こるべくして起こったんだ」ワタシはなんとなく直感した。やよいちゃんの背中に手を当てていると、かすかにやよいちゃんの中から聞こえてくる声を感じた。「生きることは(自分と)戦うことだって知ってるよ。あの時(自殺を図ったこと)、戦うことから逃げたから、今度はちゃんと戦おうと思ってこの世に戻ってきたんだ」「蔵王ライブのテーマ、Brave Heart 勇敢な心…」私はつぶやいた。
泣き声が止むと、やよいちゃんは解離状態になっていた。目は開いたままで、息はしているが、手足すべてが動かない状態になっていた。タケちゃんが外の空気でも吸ってこようかと言って、やよいちゃんを車椅子に乗せた。タケちゃんが車椅子を押し、ワタシも一緒について行った。
ワタシは川原に行こうと誘った。夜の0時くらいだったろうか、家から歩いて15分くらいの白石川の土手は若い1組のカップルが通り過ぎただけで、人気はなかった。川沿いのコンクリートに座り、タケちゃんと黒い川面を見ながらたわいない話をした。
しばらくすると、やよいちゃんの手足がピクピクと動き始めた。そのたびにタケちゃんがやよいちゃんに話し掛けるが、反応はなかった。そして、タケちゃんとバカ話をしていると、やよいちゃんの顔に笑顔が戻っているのに気づいた。だんだんとこっちの話に反応するようになり、口が開くようになり、それから何分かでいつものやよいちゃんに戻っていた。
川原にどれくらいいたのだろう。家に帰ると時計の針は1時を指していた。寝たのは2時くらい。皆、疲れもあってか死んだように眠った。
あとで、りゅうじに話を聞いたところによると、あの時はやよいちゃんの話を聞いていて、マイナス思考がとても気になり、このままではライブがマイナスに支配されると不安に思ったそうだ。そして、気づくと何かに乗っ取られたように怒鳴りまくっていたということだ。次の日のライブ当日になって、「あの時はどうかしていたんだ。ごめんね」と言いたかったのだが、なぜだか見えない強い糸に引っ張られ、それが出来なかったということだ。
ワタシは事が起きる前にやよいちゃんにインドの神様で破壊と創造のシバ神の話をしていた。創造の前には破壊が起きる。そういうことなのだろうかワタシは思った。

 

しの
ONSENS蔵王ライブもうひとつの脚本3

ライブの当日、一足遅れてONSENSメンバーのヤオさん、リュウさん、リエちゃんが1台の車に乗り合わせて家にやって来た。寝ずに一晩中、交代で車を運転してきたとのことだった。彼らは疲れており家でしばらく仮眠を取ることにした。そして、アキラさん、タケちゃん、イマイチは先に9時ごろライブ会場のえずこホールに向かった。
12時50分ごろイマイチがやよいちゃんを迎えに戻ってきた。ワタシは昨夜の出来事が気になってはいたが、やよいちゃんはライブに出たくないという雰囲気はなさそうだったのでホッとした。
13時ぐらいからONSENSフルメンバーでまずリハーサルを行い、16時から2時間くらいやよいちゃんを交えてリハーサルを行った。本番20分前くらいにやよいちゃんの体を触ると、いつもはヒヤリと冷たいのに、ほてっていて温かかった。「久しぶりにいい感じだよ」やよいちゃんは言った。
前座でさばカンが演奏することになっていた。出番の10分前にりゅうじの左足が痙攣して立てなくなった。りゅうじはC型肝炎の影響で足が攣りやすくなっていて、いつも本番に響かないように気を使って足をケアしていた。しかし、今回はなぜかやよいちゃんに本番のための飲み物を買ってこなくてはと思い立ち、本番1時間前くらいに早足で少し離れたスーパーに飲み物を買いにいった。けっきょく、飲み物は必要なかったのだが、歩いたことが原因で本番直前で足が攣ってしまった。りゅうじはジェンベで演奏のメインを叩いていたが、こうなっては仕方がないので「ワタシとイマイチのタイコ、ダンサーのげっちゃん。それで、やるしかない」と腹をくくった。げっちゃんは即座にイマイチとダンスの振りとタイコの絡みを練習し始めた。
開演時間になり、さばカン3人で出ようとした矢先、りゅうじが「大丈夫」と言ってきた。いつもは足が痙攣すると、1時間は復活することはできない。しかし、今回は10分足らずでどうにか回復した。結局、さばカンはフルメンバーで演奏することになった。ワタシはりゅうじが足を攣ったことにより、肩の力が抜けた。演奏も全体でいい感じのノリが出ていた。あとで、お客さんから「アフリカンドラム良かった。げっちゃん綺麗だった」とメールをもらったときは、さばカンメンバー大喜びだった。
そして、ONSENSのオペラライブが開演した。ONSENSは見事で素晴らしいライブを行い、やよいちゃんは堂々と素敵なステージを行った。やよいちゃんが踊り、りゅうじとワタシでアフリカンドラムを叩くコラボは、お客さんたちの割れんばかりの手拍子の中、大成功に終わった。
そうして、すべてが終わった。思うことは、アキラさんが書いたライブの脚本の他に、もう一つ別の脚本が用意されていたということだ。主役はやはり、やよいちゃんだ。ワタシは割り当てられた役を、そして他の人たちも割り当てられた役を、全身全霊で演じ切った。
蔵王ライブは正直、大幅な赤字だった。たまたま、りゅうじにIT関係で大きな仕事が入り、それで賄うことが出来た。仕事の入金は蔵王ライブに間に合うか間に合わないかの瀬戸際で、もし間に合わなかったらカードローンをしようと思っていた。しかし、ライブ2日前のギリギリに無事に入金が済み、借金することなく蔵王ライブを行うことが出来た。
いままでもそうであったが、りゅうじと一緒になってから、にっちもさっちもいかなくなったとき、アイヌの康子さんが助けてくれたりなど、ギリギリのところで助けられることが何度もあった。そういうときは目に見えない力の存在をヒシヒシと感じざるをえなかった。それが神と言うのかワタシにはよく分からない。そして今回のONSENS蔵王ライブでも目に見えない誰かが裏舞台の脚本を書き、関わった全員がそれに沿って動かされた。それは、さまざまな人との出会いが十字架のようにクロスして起きるスペシャルサイコーなドラマなのである。
閉幕
裏舞台挨拶
遠路はるばるお越し下さったお客さん、地元のお客さん、受付嬢の冬姫さん&ただのなおみさん、チラシ配りを手伝ってくれたヒデさん、さなえさん、えずこホールのスタッフの方達、さばカンのイマイチ、げっちゃん、スポンサーりゅうじ、ONSENSヤオさん、リュウさん、リエちゃん、タケちゃん、主役のやよいちゃん、芸術家であり演出家のアキラさん、etc…スペシャルベリーベリーサンクス!!
ジ・エンド
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