なわとびバス観光
春もうららかな四月、じつにのどかな展覧会がおこなわれた。
あのなつかしい、なわとびバスに乗って高円寺の新名所をめぐる。乗客自体が作品という「動く展覧会」、見る展覧会ではなく「見られる」展覧会だ。
うちの伯父さんがバスの運転手なので本物の制服を借りた。バスガイドの末次さんはもと本職なので、ウグイスのような声色を響かせていた。
毎週土日の計8回ツアーはおこなわれたが、多いときには17人もの乗客がなわとびの輪にはいり1列で歩くものだから、横断歩道をわたるのにも一苦労だった。
事前に高円寺じゅうをチャリンコでくまなくめぐり、新名所を探した。新名所と言っても、変な落書きとか、面 白い名前の表札とか、変わったブロック塀とかだ。教会の牧師さん、神社の神主さん、大工さん、ギター作りの職人さん、美容室のおばちゃん、仏壇屋の二代目、ホームレスのおじちゃんなどの話を聴いた。桜の下で花見しながらビールを飲み(飲酒運転?!)、ふと目についた和菓子屋で団子をつまみ、駄 菓子屋でくじを引いた。
こんなのどかなアートがあってもいいじゃないか。

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